Hitachi
お問い合わせお問い合わせ
日立グループ営業部門の価値最大化を掲げ、2025年4月から12月にかけて延べ500人を超えるAI推進リーダーを輩出してきた「生成AI推進リーダー育成ワークショップ*」が、いよいよ閉幕を迎えました。そこで、本プロジェクトのオーナーである日立製作所 執行役専務 長谷川 雅彦に、ワークショップを通じて見えてきた成果や学び、そしてAI時代に営業の役割はどのように変わっていくのかなどについて、AIアンバサダーの大山 友和が聞きました。
「生成AI推進リーダー育成ワークショップ」開催!営業部門に500人超のAI活用の旗手たちが誕生(前編)

プロンプトベースからエージェント型へ

大山
2025年4月に始まった「生成AI推進リーダー育成ワークショップ」も、12月でいよいよ一区切りを迎えました。営業部門を統括する長谷川さんにはワークショップの最後で全体を振り返って講評をいただきました。その際、このわずか1年足らずの間にもAI活用に大きな進化があったことを感じたそうですね。

画像: ワークショップの最後に長谷川執行役専務が登壇し、生成AI推進リーダーたちにエールを送った。

ワークショップの最後に長谷川執行役専務が登壇し、生成AI推進リーダーたちにエールを送った。

長谷川
本日のワークショップで、10人の生成AI推進リーダーの皆さん自らが開発したユースケースの発表を聞き、AIそのものの性能向上と相まって、皆さんの活用の工夫も着実に進化・高度化していると強く感じました。とりわけ、プロンプトを工夫する段階から、業務の流れをAIに任せるエージェント型の活用へと進化してきていることを改めて実感しました。

AIエージェントは、特定の人の経験や勘に頼っていた仕事の進め方を形式知として共有することにより組織全体での再現を可能にするため、組織の価値を高めるうえで今後極めて重要な意味を持ちます。
日立はいま、グローバル全体でAIエージェントの量産と活用を戦略的に推進しています。生成AI推進リーダーの皆さんはこの動きを率先して捉え、横断的な展開を通して、取り組みの拡大に貢献していただきたいと思います。

大山
エージェント型のユースケースが増えているのは、その都度入力する手間が必要なプロンプトベースの使い方では業務に十分応えきれなくなってきたからだと思います。それだけAIが皆さんの業務に定着し、より高度な使い方が求められる段階に進んでいると感じています。

生成AI推進リーダー育成ワークショップでは、リーダー一人ひとりに3つのユースケース開発を求めてきました。ワークショップを通して最終的に約500人のリーダーが配置された結果、日立グループの営業部門には、1,500に及ぶユースケースが生まれ、その中でエージェント型への発展も進んでいます。その効果はこれから本格的に表れてくると考えられますが、全体としては非常に大きなインパクトになると見込んでいます。

画像: プロンプトベースからエージェント型へ

守りと攻めを両輪にユースケースを創出

長谷川
今日、皆さんの発表を聞いてもう一点、進化を感じたのが「攻め」のユースケースが増えたことです。

これまでは、週報や見積もり作成といった内部の事務作業など、どちらかというと「守り」の場面でのAI活用が多かった印象があります。私自身も現場で感じてきたことですが、内部の事務作業は重要である一方で、お客さまとの時間を確保するためには、できるだけ時間をかけたくないというのが本音でした。こうした長年の課題が、AIの登場によって、いま一気に改善されようとしています。まずこの領域から活用が進んだのは、ごく自然な流れだと思います。

一方、今日の発表では、顧客理解の高度化や提案力の強化を目的にした「攻め」のユースケースが数多く見られました。守りで基盤を整え、攻めで成果を伸ばす。この両輪が揃って初めて、組織としての成長が実現します。リーダーの皆さんには、ぜひこのバランスを意識しながら、次の一歩を踏み出してほしいですね。

大山
定型業務の工数削減という「守り」の活用に加え、お客さま対応のクオリティ向上という「攻め」の活用を実現し、その手法をエージェントとして全体に横展開する。このアプローチは、組織の価値を相乗的に高めますね。

AI活用の拡大と深化をさらに加速

長谷川
皆さんのAI活用には確かな進化が見られますが、それでもなお、活用の拡大と深化のスピードを、さらに高めていく必要があると強く感じています。

AIはもはや使うかどうかではなく、どれだけ最適な形で使いこなせているかが、そのまま競争力の差として表れる段階に入っています。使い方に習熟できていなければ、判断の速さや提案の質で、気づかないうちに後れを取ります。だからこそ重要なのは、早く使い始め、PDCAをアジャイルに回し、エージェントを磨き続けることです。迷っている時間そのものが、すでにリスクになっていると言えます。

画像: AI活用の拡大と深化をさらに加速

大山
おっしゃるとおりだと思います。
今回の生成AI推進リーダー育成ワークショップを通して、全社営業の課・部単位に満遍なくリーダーを配置しました。次のステップとして、推進リーダーの皆さんには、部門を越えた横連携による情報共有をぜひ実践してほしいと思います。AI活用の進展はどうしても部門間で差が生じてしまいます。リーダーの皆さんには先進的なチームの知見を還流させ、日立全体としての活用を加速させていく役割を期待しています。

長谷川
営業部門は、AIがどのようにお客さま価値の向上につながるのか、自らの言葉で語れる存在であってほしいと思います。そのためにも、全員がAIを日常的に使い込み、自分のものにしていくことが重要だと考えています。

営業職はAI協働型のパートナーシップモデルへ

大山
営業職は今後、AIと役割を分担しながら価値を生み出す、AI協働型のパートナーシップモデルへと移行していきます。
お客さまとの信頼関係の構築や、お客さま固有の課題の引き出し、提案における戦略的な判断といった業務は、引き続き人が担うべき領域です。一方でAIは、人を支える強力な参謀として、思考や判断を補佐します。言い換えれば、AIと高度に協働できる営業こそが、よりよい顧客体験を創出できる時代になります。日立の営業部門には、常にその最前線に位置していてほしいと思います。

長谷川
営業職を、AI協働型として再定義したとき、特に意識してほしいタスクの一つが、AIに提供する一次情報を現場から引き出すことです。
AIの価値は、モデルの賢さではなく、与える情報の質で決まります。お客さまの本音や市場の機微といった一次情報が、AIのアウトプットの質を左右すると言えます。そして、そうした情報をAIに提供できるのは、現場でお客さまと向き合う営業しかいません。営業がもたらす情報がAIにインプットされることで、営業部門にとどまらず、日立のすべての業務の価値の底上げにつながります。営業の皆さんには、AIの価値を決定づける起点としての役割を、強く担ってほしいと思います。

大山
実はこのたび、マネジメント層の業務負荷軽減のために、資料のドラフトのレビューを幹部に代わって行うAIエージェントを私が開発しました。次回は長谷川さんにそれを体験していただき、感想を頂戴したいと思います。

「【第3回】日立製作所 執行役専務 長谷川雅彦の活用術(後編)」はこちら >

画像1: エグゼクティブの生成AIの使い方
【第3回】日立製作所 執行役専務 長谷川雅彦の活用術(前編)

長谷川 雅彦(はせがわ まさひこ)
株式会社日立製作所
代表執行役 執行役専務
CMO 兼 営業統括本部長

1987年日立製作所入社。金融機関向けの情報システム事業や、情報通信事業のグローバル営業部門長、社会イノベーション事業推進本部サービス事業推進本部長、関西支社長などを経て、2020年4月より執行役常務。2025年4月より現職。

画像2: エグゼクティブの生成AIの使い方
【第3回】日立製作所 執行役専務 長谷川雅彦の活用術(前編)

大山 友和(おおやま ともかず)
株式会社日立製作所
デジタルシステム&サービス営業統括本部
Executive Strategy Unit フロントサポートセンター チーフプランニングエキスパート
AIアンバサダー

コンサルティング部門にて、営業業務改革、新規事業の立ち上げなどに従事した後、日立コンサルティングにて、基幹業務システム構築などを担当。プロジェクトリーダーとして、システム企画・構築・運用全般を統括。その後、営業バックオフィスを支える業務システム全般を統括。現在、営業部門の生成AI徹底活用プロジェクトの取りまとめとして、講演活動、ナレッジ蓄積、社内コミュニティ運営、人材育成などの取り組みを推進中。

This article is a sponsored article by
''.