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カーボンニュートラルを見据えた「経済価値と環境価値の両立」「再生可能エネルギーの調達・適正化」「脱炭素協創体制の確立」に向けて、日立の“旗艦工場”が動き始めました。その取り組みを追うシリーズの第1回は、地域やバリューチェーンまで視野に入れたこの一大プロジェクトのビジョンやアプローチについて紹介します。

脱炭素社会の実現などに向けた大規模プロジェクトが始動

2050年のカーボンニュートラル達成という政府目標が掲げられた2020年以降、世界は新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー問題などさまざまな試練に見舞われました。こうした社会経済環境の激変を受けて、脱炭素社会の実現へ向けた取り組みも現在そのあり方が問われています。

刻々と変化する社会情勢のもと、日立は環境長期目標「日立環境イノベーション2050」において、2030年度までの事業所におけるカーボンニュートラル達成と2050年度までのバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル達成のほか、水や資源の高度循環社会、生態系の保全を旨とする自然共生社会の実現などを表明。その具体的な取り組みとして2022年に始動したのが「大みかグリーンネットワーク」です。本プロジェクトでは、脱炭素を中心とする各種環境テーマに沿った実証プログラムを通じて新たな技術やノウハウを蓄積し、環境に関わる社会課題の解決に向けた協創を追求しています。

画像: 大みかグリーンネットワークの概要

大みかグリーンネットワークの概要

経済価値と環境価値の両立を追求するフラッグシップ拠点

画像1: 大みかグリーンネットワーク
第1回 バリューチェーン全体で推進するカーボンニュートラル

株式会社 日立製作所
制御プラットフォーム統括本部
サービス・制御プラットフォームシステム本部
新事業推進センタ センタ長
岩間 江津子

本プロジェクトの基点となる日立の大みか事業所は、1969年の開設以来、長年にわたって鉄道や電力など社会インフラを支える情報制御システムの設計・製造・開発・保守を担ってきました。その一方で、先進技術や環境配慮に関する新たな試みにいち早く取り組んできた本事業所は、日立全体をリードするいわば“旗艦工場”でもあります。

1998年から生産改革への取り組みを開始、OT/IT/プロダクトの融合によりさまざまな社会課題の解決、新たなビジネスの創出に積極的に取り組んできました。そして2012年、前年に発生した東日本大震災を教訓に、大みか事業所ではBCPの観点から電力使用量の可視化やエネルギーマネジメントといった施策を推進。こうした取り組みが総合的に評価され、2020年にはWEF※1が認定する第四次産業革命をリードする先進的な工場「Lighthouse」に日本で初めて※2選出されました。

そして現在は、生産管理やエネルギー管理による「工場経営DX」を通じて蓄積されたデータや知見をもとに、コストとCO2排出量をともに削減する「環境経営GX※3」を推進。今回のプロジェクトを統括する岩間 江津子は、「大みかグリーンネットワークは、いわば従来の工場経営DXに環境経営GXをかけ合わせることで、事業の継続・成長と脱炭素に向けた改革を両立させていく挑戦です」と本プロジェクトのねらいを説明します。

※1 The World Economic Forum(世界経済フォーラム)
※2 2020年1月時点
※3 Green Transformation

脱炭素の輪を、大みかから地域やバリューチェーンへ

画像2: 大みかグリーンネットワーク
第1回 バリューチェーン全体で推進するカーボンニュートラル

株式会社 日立製作所
制御プラットフォーム統括本部
サービス・制御プラットフォームシステム本部
新事業推進センタ 担当部長
森知 隆

大みか事業所ではこれまでも各種の環境課題の解決に向けて果敢な挑戦を続けてきましたが、本プロジェクトはその裾野の広がりという点で、従来とは一線を画す試みです。「今回はこれまでのように事業所単体ではなく、日立市をはじめとする地域の皆さまや、バリューチェーンの中で協働する取引先さまとも手を携えながら取り組んでいます」と説明するのは、やはりプロジェクトに携わる森知 隆です。

活動のハブとなる大みか事業所では、「脱炭素」をはじめ「高度循環」「自然共生」といった環境テーマに沿った各種GX実証を推進。工場のCO2削減などを追求しながら、さまざまな実証の成果を「大みかGXモデル」として体系化していく計画です。

一方、本プロジェクトはカーボンニュートラル達成のキーファクターである地域での再生可能エネルギー利用拡大に向けた「地域エネルギーマネジメント基盤」の構築もめざしています。また、地元・日立市の中小企業脱炭素経営促進コンソーシアムに参加し、市内にある中小企業の脱炭素経営支援も開始しました。

さらに、取引先各社と連携しながら脱炭素に向けた取り組みをリアルなデータと活動で実証。各社の環境経営をサポートしながら、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル達成を追求していきます。

「会社それぞれのハードルもまだありますが、『やらなければならない』という思いは皆同じです。ここ1年あまりで脱炭素をめざす輪が少しずつ着実に広がっていると感じます」と森知は確かな手応えを実感していると言います。

めざすは、新たな社会インフラエコシステム

現在推進中の計20件ほどの実証は今年度中に完了する予定ですが、その後も継続的にさまざまなプログラムを計画しています。地域やバリューチェーンとともに推進するこうした取り組みを通じて、多様な環境課題を解決できる社会インフラエコシステムを形成することが、本プロジェクトのめざす大きな方向性です。さらに将来、その実証成果をLumadaに取り込むことで、新たなエコシステムを日本全国、そして世界中に広げていきたいと考えています。

「世界情勢や社会状況が大きな変化のなかにある今、環境課題へのアプローチも決して不変のものではありません。私たちも従来のやり方に固執することなく、手を変え、品を変えて、よりよい方法論を追求していきたいと考えています」と岩間は今後について語ります。

大みか事業所からスタートした挑戦の輪を今後いかに広げていけるか、まだ緒に就いたばかりのプロジェクトのこれからにどうぞご期待ください。

第2回 「EcoAssist-Enterpriseを活用したカーボンニュートラル見せる化実証」はこちら>>

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