業界・空間・時間を超え、知恵やアイデアをつなぐ
協創プロセスを支援する物理空間と情報環境
社会価値、環境価値、経済価値、そして人々のQoL(※)向上に向けて、これまで日立はLumadaをエンジンとする社会イノベーション事業を推進してきました。「Lumada Innovation Hub」は、そうしたイノベーションを加速し、持続可能な社会の実現をめざして、業界・空間・時間を超えさまざまな知恵やアイデアを掛け合わせるサービス・協創空間です。2021年4月、そのフラッグシップ拠点として、日立は東京駅に直結する「Lumada Innovation Hub Tokyo」を開設。対話による発想やひらめきを促し、イノベーションの創出を加速するために設計された物理空間と情報環境で、ビジョン構築からビジネス化までの協創プロセスを支援しています。
2020年以降、COVID-19が拡大しリモートワークが常態となるなか、日立は協創プロセスのデジタル化に関する実践的な知見を蓄積してきました。Lumada Innovation Hub Tokyoでは、デジタルツールを活用しリアルとバーチャル双方の手段を駆使しながら、協創経験の豊富なスペシャリストがビジョン構築やアイデア創出、プロトタイピングと検証などの活動を支援しています。
※ Quality of Life
有機的につながり、機能する施設構成
Lumada Innovation Hub Tokyoは2フロア構成となっており、メインフロアとなる17階には協創を実践する5つの空間が用意されています。そのうち、多人数でのミーティングや配信が可能な「Meet-Up Square」と、Lumadaのユースケースやソリューションを知ることができる「DX Gallery」はオープンなディスカッションに適したエリアです。また、ワークショップを行う「Co-Creation Studio」、迅速なプロトタイピングと検証を行う「Mirai Atelier」、エグゼクティブを交えた討議などを行う「Incubation Base」は、機微な議論もできるクローズドエリアです。なお、これら5つの空間はすべてオンラインでも利用可能です。
そして、16階はいわばバックステージフロアです。協創実践に入る前のスペシャリストによる戦略立案や協創手法・ツールの検討、チームディスカッションなどの場となるほか、他の拠点との連携や作戦会議、交流の場としても機能します。
国内外のさまざまな拠点とオンライン連携
オープンな協創によるイノベーション創出を加速する研究開発拠点「協創の森」、DXの実践工場「大みか事業所」、実機によるデモ・検証を通してLumadaのソリューションを体感できる「Lumada Competency Center」、デジタルソリューションのショールーム「イノベーションスクエア」といった国内拠点、そして、タイの「Lumada Center Southeast Asia」をはじめとするアジアや欧米の海外拠点。Lumada Innovation Hub Tokyoは日立が国内外に展開するこれらの拠点のスペシャリストとオンラインで連携することで、協創をさらに深化・前進させることができます。
多様なDXニーズにこたえる柔軟なアプローチ
DXに対するお客さまのニーズはさまざまです。例えば、周囲の環境変化にDXで対応したいという企業がある一方で、より積極的に先進的なDXを実践したいと考える組織や、自ら社内の意識を高めることで自発的にDXを推進する土壌を育みたい企業もあるでしょう。
Lumada Innovation Hub Tokyoでは、こうした多様なニーズにフレキシブルなアプローチでおこたえしながら、DX協創活動をコーディネートしています。
DXニーズI「DXを取り入れて事業環境の変化への対応を急ぎたい」
──お客さまが抱える課題を整理し、パートナー・日立の実績あるソリューションやさまざまな技術をマッチング
- DXの理解(図中A)
- 課題整理(図中B)
- ソリューション試行(図中C)→ソリューション適用
- 業務デザイン・業務高度化(図中E)→プロトタイピング(図中F)→システム構築/運用
DXニーズII「世の中の変化を先取りし、先進的にDXを進めていきたい」
──さまざまな業種のスペシャリストの知見を活用して、中長期的視点でビジョン実現に伴走
- DXの理解(図中A)
- ビジョンデザイン(図中D)
- 構想策定(図中D)
- ソリューション試行(図中C)→ソリューション適用
- 業務デザイン・業務高度化(図中E)→プロトタイピング(図中F)→システム構築/運用
DXニーズIII「自らDXを推進できるよう、自社の組織を強化したい」
──パートナーや日立のデータサイエンティストによる座学・実践での技術アドバイスを提供
自在な「つなぐ」で、さらなる協創へ
2021年4月の開設以降、Lumada Innovation Hub Tokyoには500件を超える相談や問い合わせが寄せられ、説明会への社内外からの参加者は延べ5,000名を超えました。当初の想定を上回る反響を集めたLumada Innovation Hub Tokyoでは、製造業、IT、モビリティ、エネルギーなど多岐にわたる領域で、すでに30件以上のDXプロジェクトが具現化。さらに現在も70件あまりの案件が進行中です。
Lumada Innovation Hub Tokyoでは協創の実践を通じて得たDXの知見を、個々のお客さまの課題を解決し価値を生み出す活動に生かしながら、日立グループやパートナーのさまざまな事業を縦横無尽に「つなぐ」施策で、お客さまとともに複雑な社会課題の解決に取り組んでいきます。
【用語解説】
DX協創活動のコーディネート
お客さまのニーズや興味、状況に応じて適切なLumada Innovation Hub Tokyoのサービスをアレンジするほか、DXや各領域のスペシャリストに加え、セキュリティや知財などのスペシャリスト、さらにパートナーの専門家を含めたチームを構築する「チームビルディング」を提案。Lumada Innovation Hub Tokyoで蓄積した協創実績を基に課題と施策を明確化して、十分納得したうえで実運用に進めるようにお客さまと伴走します。
DXの理解(図中A)
お客さまのビジョン形成のヒントとなるよう、DXの“いま”をキャッチアップ。「まずはDXについて知りたい」「Lumadaって?」「常に最新の情報を得たい」「推進中のテーマに役立ちそう」「キーパーソンにコンタクトしたい」といったお客さまの声に寄り添いながら、さまざまな有識者やほかのお客さまと対話する場を提供します。
課題整理(図中B)
オンライン上の各領域のスペシャリストやパートナーの専門家とともに業務課題を深掘りする「課題整理ワークショップ」で、お客さまの想いや悩みを可視化して解決すべき課題を整理。また、「分析テーマアップ」により業務課題を基にデータ分析するテーマを立案し、優先度づけを支援します。さらに、業務課題にマッチした日立のDX取り組み事例やソリューションを紹介する「ソリューションマッチング」などを通じて価値ある課題解決をめざします。
ソリューション試行(図中C)
活用実績のあるソリューションをすぐに試行できるプラットフォーム「Lumada Solution Hub」などを通じて、お客さまの課題にマッチしたソリューションを紹介するほか、アプリケーション体験のなかでAIやIoTなどのデジタル技術を活用した業務イメージを提示。迅速な試行結果を基に、お客さまの業務に対する定量的な効果を検証します。
ビジョンデザイン~業務デザイン(図中D/E)
各種ワークショップでお客さまの事業の将来像を描く「ビジョンデザイン」(図中D)を基に、その将来像の実現に向けたロードマップづくりや、具体的な「構想策定」(図中D)も支援。さらに、現場観察やインタビューを通じて業務のあるべき姿を描く「業務デザイン」(図中E)、データ利活用の価値の分析による「業務高度化」(図中E)などもサポートします。
プロトタイピング(図中F)
AIなどデジタル技術の業務活用をイメージするためのペーパープロトタイプを作成する「アイデア発想」から、業務への適用効果を理解するためのAIモデル、UI、ミニマムアプリなどを開発する「アイデア具体化」、さらに実業務と同じ環境でシステム構成を検証する「アイデア適用」まで、スペシャリストが伴走。協創のフェーズに応じたプロトタイプを開発・検証します。
DX組織推進支援/デジタル人財育成(図中G)
推進テーマ選択、仕事の変え方策定、人財育成、IT基盤管理などに関するスペシャリストのアドバイスを通じて、お客さま側のDX組織の推進をサポートするほか、日立の体系的な教育プログラムなどを活用してデータサイエンティストがお客さま内のデジタル人財育成も支援します。
他社登録商標
本記事に記載の会社名、商品名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。