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日立製作所では現在、月に1回、昼休みに、AI分野のキーパーソンをゲストに招き、リラックスした雰囲気の中で最新のAI情報をライブ配信中。社内で“AIカフェ”の通称で親しまれているこの取り組みは、有識者の貴重な話を気軽に聴くことができてうれしい、と好評です。本取り組みの主催者であり、配信ではコメンテーターを務める日立製作所の AIアンバサダー 大山 友和と、AIカフェでファシリテーターを務め、企画にも協力いただいているアンドドット株式会社(以下、アンドドット社)の茨木 雄太氏に話を聞きました。

月に1回、AIの最新情報をライブ配信

大山
日立では現在、月に1回、お昼休みの時間帯に、AI分野のキーパーソンをゲストに迎え、最前線の情報を全社に向けてライブ配信をする取り組みを行なっています。社内では“AIカフェ”と呼称していて、ランチを食べながら聴ける45分間の構成です。
本日はこの企画を立ち上げた私、日立のAIアンバサダーの大山 友和と、AIカフェのゲストの人選およびファシリテーターとしてご協力いただいているアンドドット社の茨木 雄太さんの2人で、この取り組みについてお話しします。茨木さん、よろしくお願いします。

茨木氏
私はアンドドット株式会社というスタートアップ企業の代表取締役を務めています。当社は主に、企業のDXを目的としたAI活用の伴走支援/人材育成、先端技術の技術検証、 AIシステムの開発などをしており、複数事業を連携させながら運営しております。
このAIカフェ以外でも日立さまとはさまざまな取り組みで共創を進めています。

画像: 月に1回、AIの最新情報をライブ配信

大山
私はAIカフェのメイン企画として、有識者をゲストに招いたトークを考えていたのですが、一人ではなかなか人選を組み立てきれずに悩んでいた時、当社のGenerative AIセンター 本部長の吉田 順から、多方面に知見・人脈をお持ちの茨木さんを紹介してもらいました。実際に一緒に企画会議を行うと、茨木さんは本当にたくさんのキーパーソンの方とコネクションをお持ちで驚きました。

茨木氏
それはアンドドット社のビジネスモデルに由来するものかもしれません。新しい技術が速いスピードで次々と生まれている昨今、当社は、それらの潜在能力を見極めるためにひたすら実証実験を繰り返しています。そして、社会実装の価値があるスキームを見出したら、他の企業様、団体様と積極的につながり事業展開を進めます。その活動が現在ますます広がっていることが、今の多方面とのご縁につながっているのだと思います。

大山
どんな実証実験を行っているのか、とても興味があります。ぜひ今度、AIカフェで紹介してください。

生成AI推進者のための継続的な学びの場

茨木氏
当社も多くの企業の研修を支援していますが、ほとんどが短期集中型で、今回のように長いスパンで組織変革をめざす社内教育の取り組みはユニークだと思います。実は今回AIカフェのお話を受けたのには、実証実験として興味があったからという面もあります(笑)。このライブ配信企画は、そもそもどのような背景から始まったのですか。

大山
私は日立のAI活用を推進するAIアンバサダーとして、営業部門に500人規模で生成AI推進リーダーを育成するワークショップを主催しています(関連記事「「生成AI推進リーダー育成ワークショップ」開催!営業部門に500人超のAI活用の旗手たちが誕生」)。この配信の取り組みは、はじめは、ワークショップに参加したリーダーたちが修了後も継続的に最新の知見に触れるための場として企画したものでした。ところが何度か配信すると、社内の多くの方から「私も視聴したい」という要望が寄せられ、現在の全社に向けた配信の形となりました。ターゲットは拡大したのですが、日立のAI活用を推進する人たちの学びの場をつくるという狙いは変わりません。

不確実性が高まる社会において、地政学的リスク、環境問題、少子高齢化などの課題に適切に対処するためには、AIの力を最大限に引き出すことが重要です。そのため生成AI推進リーダーには、技術革新を続けるAIの「いま」を知り、知見を常にアップデートすることが強く求められます。最新の情報を長期スパンで、継続的に発信し続けるという方針は、必然的な判断だったと思います。

茨木氏
当社が継続的に実証実験を続けるのも、次々とやって来る技術革新の波に乗り続けるためです。私の回りのスタートアップ企業でも、ひとつの技術にこだわってしまった結果、わずかな期間でその事業が廃れてしまったというケースが少なくありません。つねに危機感をもってアンテナを張り巡らせておくことは大事なことだと思います。

大山
そうしたスタートアップ企業の経験に裏打ちされたリアルなマインドセットを、ぜひ日立の生成AI推進リーダーたちも共有してほしい、というのも茨木さんに声を掛けた大きな理由です。

画像: 生成AI推進者のための継続的な学びの場

カフェ感覚でくつろぎながら知識をインプット

茨木氏
もう一点、AIカフェがラーニングの取り組みとしてユニークだなと思ったのが、ラジオ番組風のリラックスした雰囲気を大事にしていることです。

大山
視聴者は業務で目を酷使しているので、基本的に「聴くだけでいいコンテンツにしよう」という方向性を最初に決めました。そのうえでいろいろなポッドキャストを試聴してみると、内容が堅すぎると聴いていて途中で疲れてしまうこと、また掛け合い形式だと難しい内容も理解しやすいことなどが分かりました。そして昼休みという配信時間も踏まえて、視聴者は、ゲストと私たちの自然体のトークを、くつろいで聴きながら知識をインプットする、というスタイルに行き着きました。

茨木氏
毎回ゲストには5~6枚のスライドをご用意いただき、それについて話してもらいますが、その後は、完全にフリートークです。堅いセミナーだとある程度結論が用意されていたりしますが、ここでは私も大山さんも訊きたいことを訊き、思ったことを話すので、議論がどんどん広がります。丁度、ライトニングトーク会--*1--のような雰囲気です。私自身、AIカフェでのトークセッションは大いに刺激になりますし、聴いている方もこの柔らかい雰囲気の中で「自分の業務に置き換えたらどうなるだろう」と、発想を自由に膨らませてもらえたらうれしいですね。
*1 主にIT業界のコミュニティにおいて開催される複数の発表者が短時間のプレゼンテーションを連続して行うイベント。気軽に参加でき、発表者と聴衆の距離が近いのが特徴。

大山
AI分野では新機能や新モデルが次々と登場し、それらの最新情報はいつも「驚き」にあふれています。それを堅く発信してしまうと本来の「驚き」が削がれてしまうでしょう。例えば、リリースされた最新機能を、いち早く体験し、それをリアルに伝えるためには、やはりアドリブ感のある自然体の配信スタイルが適していると思います。

茨木氏
私は「ワクワク」という言葉をとても大切にしています。AIを当社の事業の軸に据えたのも、AIによって人は煩雑でストレスのかかる作業から解放されて、心からワクワクできる仕事に集中できる——そんな世の中がやって来ると考えるからです。AIカフェを視聴している皆さんにもそんな「ワクワク」が伝われば、と思いながらいつも配信に臨んでいます。

画像: カフェ感覚でくつろぎながら知識をインプット

大山
次回は、AIカフェがめざすビジョンなどについて話していきたいと思います。

「AI分野の有識者を招いて昼休みにトークライブ配信 くつろぎながら知識をインプット(後編)」はこちら >

「生成AI推進リーダー育成」の記事一覧はこちら >

画像1: AI分野の有識者を招いて昼休みにトークライブ配信
くつろぎながら知識をインプット(前編)

茨木 雄太氏(いばらぎ ゆうた)
アンドドット株式会社 代表取締役

ソフトウェアエンジニアとしてさまざまな業界の新規事業開発に携わる。2020 年に ject株式会社を設立し、新規事業支援やソフトウェア開発を通して企業成長。法人生成AI活用普及協会(GUGA) 協議員 /福岡県DXプロデューサー /”Nasa Space App” 最優秀賞 /“QTnet TUNAGU ” 最優秀賞

アンドドット株式会社のWebサイト

画像2: AI分野の有識者を招いて昼休みにトークライブ配信
くつろぎながら知識をインプット(前編)

大山 友和(おおやま ともかず)
株式会社 日立製作所
デジタルシステム&サービス営業統括本部
Executive Strategy Unit フロントサポートセンター チーフプランニングエキスパート
AIアンバサダー

コンサルティング部門にて、営業業務改革、新規事業の立上げなどに従事した後、日立コンサルティングにて、基幹業務システム構築などを担当。プロジェクトリーダーとして、システム企画・構築・運用全般を統括その後、営業バックオフィスを支える業務システム全般を統括。現在、営業部門の生成AI徹底活用プロジェクトの取りまとめとして、講演活動、ナレッジ蓄積、社内コミュニティ運営、人材育成などの取組みを推進中。

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