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東京海上日動火災保険株式会社の「修繕プラットフォーム」は、各種の施設や設備の計画修繕を管理する新サービスです。前回は、新しい視点で保険会社が提供する新サービスのプロジェクトが始動するまでの経緯を紹介しました。第2回は、修繕プラットフォームの開発以降をご紹介します。

「第1回 レジリエンス強化の視点から施設・設備管理の新サービスの開発へ」はこちら>

修繕プラットフォームの具体的な開発内容の検討を開始

東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)では、小売業や物流業向けサービスの「修繕プラットフォーム」の開発が始まりました。マーケット戦略部 企業戦略室 兼 レジリエンス室の五十嵐 直人氏は、修繕計画の「見える化」に必要なベースとなるサービスを探し、日立ソリューションズに設備修繕計画最適化サービス(以下、S4)の機能説明を依頼しました。

画像1: 東京海上日動火災保険株式会社「修繕プラットフォーム」開発プロジェクト
第2回 レジリエンス強化の視点から施設・設備の管理サービスを開発

東京海上日動火災保険株式会社
マーケット戦略部
企業戦略室 兼 レジリエンス室 課長代理
五十嵐 直人 氏

実際にS4のデモを見た五十嵐氏は、「ガントチャートで計画修繕をパッと見られて、本社側から1人でも管理できるのは大きな魅力です。紙とExcelを突き合わせているお客さまが大勢いるので、お客さまの希望を叶えられるソリューションになると思いました。」と、簡単な操作で修繕計画が把握できるS4の能力を確認しました。

あらゆる選択肢からノウハウの詰まったプラットフォームを選択

修繕プラットフォームの開発を担当するマーケット戦略部 企業戦略室の上野 睦美氏は、五十嵐氏からの要望をシステム要件に落とし込む一方で、フルスクラッチ開発や外部のSaaSの利用などのあらゆる可能性を検討し、「ガントチャートが大変わかりやすく、簡単な操作で次回の修繕スケジュールが計算されて連動して動くことがわかりました。」と、ガントチャートの機能がS4選定の大きなポイントになったことを挙げます。

画像2: 東京海上日動火災保険株式会社「修繕プラットフォーム」開発プロジェクト
第2回 レジリエンス強化の視点から施設・設備の管理サービスを開発

東京海上日動火災保険株式会社
マーケット戦略部
企業戦略室 課長代理
上野 睦美 氏

上野氏は、「マニュアルを見ても、かなりのノウハウが日立のS4に集約されていると思いました。」と言い、フルスクラッチ開発や外部のSaaSと比較しスケジュールや工数が効率化できると考えました。選択の余地はほとんど無かったと振り返り、1からの構築は困難と判断して割と早い段階で選定した、とS4を修繕プラットフォームのベースに決定した理由を説明します。

金融機関の厳格なセキュリティ基準の要求も

S4は設備修繕計画に必要な機能を備えていましたが、本来は産業用向けに開発されたものです。東京海上日動がお客さま向けサービスとして提供するためには、金融商品の取り扱いと同レベルのセキュリティ対応が迫られました。WAF(Web Application Firewall)の導入が必要になり、これまで培ってきた金融業向けのノウハウを生かして日立がWAF導入の調整を図り、セキュリティ面での対応をクリアしました。

完成した修繕プラットフォームについて、上野氏は希望どおりのシステムができたと満足しながらも、今回実装しなかったタブレット端末を利用したデータ入力など、今後の機能追加も視野に入れています。

現場担当者から支持されるサービスを提案

五十嵐氏と現場の営業支援をしながら提案活動を行うマーケット戦略部 レジリエンス室の金井 李穂氏は、「実際に修繕管理業務のご担当者から、良いサービスだね、という声をいただいています。」と修繕プラットフォームへの手応えを感じています。

修繕履歴の管理が不十分で施設づくりに生かされずに事故に遭ったお客さまがいたり、1人で多くの店舗を管理しているお客さまもいたりするため、データを可視化して管理・整理できれば、お客さまの手間の削減につながり、大きなメリットになると言います。

画像3: 東京海上日動火災保険株式会社「修繕プラットフォーム」開発プロジェクト
第2回 レジリエンス強化の視点から施設・設備の管理サービスを開発

東京海上日動火災保険株式会社
マーケット戦略部 レジリエンス室
主任
金井 李穂 氏

修繕プラットフォームの提供が始まり、手作業で管理してきた計画をシステムで管理するため、お客さまにデータの移行作業をある程度協力していただく必要がある、と金井氏は話します。お客さまと一緒に利用の準備を考えたり、運用のルールづくりの支援をしたりすることも大切と考えています。

横断的に設備管理ができる独自機能を追加し、一元管理を強化

現在提供中の修繕プラットフォームには、設備管理の新機能が追加されています。五十嵐氏には、店舗設備を横断的に管理したい、というお客さまからの要望が届きました。ある店舗で不具合や事故が起きれば他店舗の確認が発生して手間がかかるため、その管理も見える化する必要がありましたが、横断管理する機能がS4に無く、日立に独自の開発を依頼して新たに機能を追加しました。

修繕プラットフォームが完成してまずはお客さまの望みに応えられた、と話す五十嵐氏は、労働生産性の改善やコスト削減を通じて修繕体制が効率的になり、最終的に安心安全な店舗がつくれる体制にすることが重要、と今後の抱負を語ります。

持続的に事業を営むための有用なシステム

画像4: 東京海上日動火災保険株式会社「修繕プラットフォーム」開発プロジェクト
第2回 レジリエンス強化の視点から施設・設備の管理サービスを開発

東京海上日動火災保険株式会社
マーケット戦略部
企業戦略室 兼 レジリエンス室 課長
川口 健太 氏

マーケット戦略部 企業戦略室 兼 レジリエンス室の川口 健太氏は、社内だけでの開発は困難であることを社内に説明しつつ、日立との連携を推進しました。「弊社は金融業界に属する部分もあり、相応のレベルでやる必要があるため、さまざまな形で課題を突破して、私たちの新しい挑戦に寄り添っていただけました」と協創への感想を述べています。修繕プラットフォームは店舗のエンドユーザーの安全を守ることが一番大きなポイントになるため、「まずは少しの店舗数からでもいいので取り組みを始めましょう」と、お客さまと一緒にファーストステップを踏み出すことに注力しています。物流業や地方銀行など、不動産や倉庫を抱える他業種のお客さまへの展開も始まりました。

東京海上日動火災保険株式会社
[所在地] 東京都千代田区大手町二丁目6番4号
[創 業] 1879年8月
[従業員数] 16,645名(全社)
[事業内容] 日本の損害保険業界を代表する大手損害保険会社であり、日本初の保険会社を前身とする。自動車保険や火災保険をはじめとする各種保険商品を取り扱い、国内外で幅広い事業を展開している。

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