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都市基盤整備や再開発にともなう地中の埋設物調査を、先進のデジタル技術で効率化。水道やガスといった管路だけでなく、探査の難しい構造物も可視化するなど、想定以上の結果を得られたプロジェクトは、日々課題に直面していた現場の声を受け止め、そこに潜在していたリアルなニーズに応えています。

大規模再開発プロジェクトと地中埋設物の問題

画像: 大規模再開発プロジェクトと地中埋設物の問題

2025年4月からの大阪・関西万博に向けた準備が着々と進む大阪市。その中心部に位置する大阪駅北地区では現在、「うめきた2期区域」の都市基盤整備・開発事業が進行中です。大阪市とともにこの大規模プロジェクトを主導する独立行政法人都市再生機構(以下、UR都市機構)は、当該エリアのインフラ整備や民間事業者募集、公園整備を推進するなどその中心的な役割を担っています。

画像1: 独立行政法人都市再生機構「地中可視化サービス」
第1回 DXによる高精度で効率的な地中埋設物調査

独立行政法人都市再生機構
西日本支社
都市再生業務部 事業企画課
課長
安田 和弘 氏

西日本最大級の巨大ターミナル駅一帯で展開するこのプロジェクトの各現場では、日々さまざまな困難や課題に直面しており、特に大きな懸念材料だったのが「地中」の問題でした。「埋設管や障害物の位置特定など、各埋設物の管理者との協議・調整が必要な事象が多く発生します。従来は台帳や平面図で地中の状況を確認していましたが、台帳が更新されていないなど図面と現状との不一致が生じることもありました」と、問題点について説明するのはUR都市機構の安田 和弘氏です。

例えば、現場の試掘前に参照した2種類の図面上で同一のはずの埋設管が異なる場所に記載されている。あるいは、試掘した場所に予想外の構造物が埋まっていて、その管理者や所有者を特定するのに時間がかかり、工事の中断を余儀なくされる。現場ではこうした事態も決して珍しくなかったと言います。

工期遅延や交通規制期間の長期化に伴う住民生活への影響などをもたらすこうした地中の問題を前に、UR都市機構が着目したのが、物理的に掘削しなくても地中の状況を把握できる地中レーダー探査による埋設物調査でした。この手法なら、想定していた管路が見つけられず、追加で発生する試掘や手戻りを未然に防ぎ、重機による埋設管などの損傷リスクも低減できるためです。

効率的な車両探査と直感的な3D表示の優位性

ほどなくUR都市機構ではうめきた2期区域での地中レーダー探査の試用を決定。その業務パートナーとして入札を経て選定されたのが、「地中可視化サービス」を提供する日立でした。本サービスは、地中レーダー探査で取得した埋設管のデータを可視化し、3次元データをプラットフォームで一元管理、データ閲覧・編集環境を提供するもので、すでに自治体や企業によるインフラ工事現場などへの導入実績もあります。

画像2: 独立行政法人都市再生機構「地中可視化サービス」
第1回 DXによる高精度で効率的な地中埋設物調査

株式会社 日立製作所
公共システム事業部
公共基盤ソリューション本部
社会インフラ保守事業推進センタ
技師
田川 大介

検討に際して先行する仙台市の導入事例なども確認し、その実効性や計測精度などに期待を寄せていたというUR都市機構。安田氏はさらに、本サービスの優位性について「一般的な地中レーダー探査では手押し型の探査装置のみを使用しますが、地中可視化サービスでは手押し型に加えて車載型探査装置にも対応しています。自動車を走らせながら迅速かつ効率的に広範囲を探査できるのは大きな魅力です」と評価します。例えば、路地などの狭い場所は手押し型でなければ対応できませんが、探査には道路使用許可の事前取得や警備員の配置が必要です。一方、法定速度の範囲で走行しながらの車両探査なら、こうした手間や負担もありません。

さらに、本プロジェクトの日立側責任者の田川 大介は「アウトプットとして地中の状況を3次元表示できることも強みのひとつです。誰でも地中の状況を直感的に理解でき、配管ルートの検討や、管路敷設に支障となる管路の把握などに有効です」と本サービスの特長に言及します。

課題を解き、課題を消化する一連のプロジェクト

今回のプロジェクトにおいて、1つの懸念材料だったのが時間的な制約でした。本プロジェクトでは必要工事の着工期日の都合上、各作業に割ける時間が限られていたのです。

こうしたなか日立は、より効率的な地中探査とデータ解析に努めながら、最終的な提出データや報告書などについて事前にUR都市機構側と協議を重ね、極力手戻りなどの手間が生じないようにプロジェクトを推進。予定期間内でのプロジェクト完了に向けて関係者間の細やかな調整を重ねました。

なお、UR都市機構はこのうめきたエリアに続けて同じ大阪府内の枚方市駅周辺地区でも地中可視化サービスによる埋設物調査を実施。「直面した課題を解決するうめきたエリア」と、その経験値をもとに「直面する前に課題を解決しておく枚方エリア」という方針で2件の埋設物調査に取り組みました。

「第2回 現場に寄り添い、現場を変えるデジタル活用」はこちら>

※ 本記事の内容はUR都市機構への適用事例であり、すべてのお客さまに同等の性能を保証するものではありません。

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