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株式会社 日立製作所(以下、日立)と東武鉄道株式会社(以下、東武鉄道)は、デジタルアイデンティティ(※1)の管理共有ができる共通プラットフォームサービスを開発します。このプラットフォームと、指静脈認証や顔認証などの生体認証を組み合わせて活用することにより、会員カードやポイントカードを持ち歩かなくても、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ホテル、レジャー施設などさまざまな場所でサービスを利用することができます。
※1 デジタルアイデンティティ:個人の証明書情報や、属性情報などのアイデンティティ情報が電子化されたもの。本文中では、各種ポイントIDやクレジットカード情報など、プラットフォーム上に登録されている、デジタル化された個人に関する情報を総称してデジタルアイデンティティと表記。

労働力不足解決に向けた省人化・無人化を加速

今、日本では労働力不足が大きな社会課題となっており、これに対してデジタルを活用した省人化、無人化の取り組みがさまざまな場所で行われています。例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアではセルフレジ、ホテルなどでは無人チェックイン機の導入が進んでいます。2022年スーパーマーケット年次統計調査報告書によると、スーパーマーケットのセルフレジの設置率はコロナ禍の背景もあり、2020年は15.8%、2021年は23.5%、2022年は25.2%と年々伸びています。

一方で、この省人化、無人化の取り組みを進めていく中で、いくつかの課題が表面化しています。例えば、セルフレジでは、20歳未満への販売リスクを考え、お酒やたばこなどの年齢確認商品は販売できません。スポーツクラブなどではチェックインを無人化することにより、会員証の貸し借りが発生する事態が起こっています。

こうした課題に対する社会の動きとして、2023年1月に日本フランチャイズチェーン協会がデジタルを活用した酒類・たばこ年齢確認ガイドラインを発行、同年6月には、デジタル庁と日本フランチャイズチェーン協会がコンビニエンスストアにおけるマイナンバーカード活用に関する協定を締結するなど、省人化店舗での販売時における年齢確認手法について検証が進んでいます。このような社会的要請が高まっている中で立ち上げたのが、今回のプラットフォームサービスです。

セキュアでフレキシブルな対応を可能にする個人情報管理基盤

生体認証を用いた取り組みはすでにいくつかの企業で行われていますが、企業が提供するサービス内だけの利用にとどまっています。そのため利用者は、加入サービスごとに何度もお客さま情報や生体情報の登録が必要になり、わずらわしさを感じる要因となっていました。

その点、本プラットフォームは、さまざまな企業が共通で利用するため、お客さま情報や生体情報を一度登録しておけば、カードなどを提示することなく生体認証を行うだけで、加盟している各施設・店舗のサービスをワンストップで受けられるようになります。また、企業側も本人同意に基づき、例えば年齢確認などの場面でお客さま情報を利用できるメリットがあります。

画像: 生体情報を登録しておけば無人レジでも年齢確認商品が購入できる(記者会見でのデモンストレーションより)。

生体情報を登録しておけば無人レジでも年齢確認商品が購入できる(記者会見でのデモンストレーションより)。

プラットフォームの仕組みについて、日立のマネージドサービス事業部セキュリティサービス本部デジタルトラスト推進部 主任技師の清藤 大介はこう説明します。

「このプラットフォームは大きく2つの基盤からなります。1つはユーザー情報などデジタルアイデンティティを管理・共有する基盤、もう1つは生体情報を管理する基盤です。今回新しく開発したのは前者のデジタルアイデンティティを管理・共有する基盤。個人情報を蓄積して複数の企業や機関が共有する情報銀行とは異なり、施設や店舗を利用するときに必要な氏名、住所、電話番号など個人の属性情報だけを生体認証に基づいて引き出せるクラウド上のウォレットのようなものです。会員ID、ポイントIDなどのID情報のみを管理する基盤のため、企業、お客さま、それぞれが安心してご利用いただけます。」

なお、生体認証においては、PBI(Public Biometric Infrastructure/公開型生体認証基盤)という、生体情報を復元できないデータに変換(一方向性変換)することで安全かつ確実に本人を特定する日立の独自技術を活用しています。認証方法は1つではなく、例えば決済などセキュリティ強度が求められる場面では指静脈認証を採用するなど、利用事例に応じて指静脈認証、顔認証から選ぶことができます。

東武鉄道と日立の取り組みで実用化を加速

実用化においては、店舗や施設を運営する企業との連携が欠かせません。日立が2022年4月頃からさまざまな企業とディスカッションを重ねる中で、以前から生体認証に着目していた東武鉄道に、本取り組みへの興味を持っていただけました。東武鉄道は、鉄道以外に、本プラットフォームの利用先となり得るスーパーマーケットやホテル、観光施設などさまざまな業態をグループで展開しています。BtoCの事業を展開する中で蓄積された豊富な知見は、エンドユーザーにとって使いやすいサービスにしていくために重要です。1年ほど具体的な取り組み内容について議論を重ねた結果、実用化の第一歩として本プラットフォームを2023年度中に立ち上げることで合意し、その記者発表会を2023年8月29日(火)、東武ホテルレバント東京にて行いました。

会見では、日立のマネージドサービス事業部 事業部長の吉田 貴宏が、本プラットフォームの概要を説明。参画企業に対しては、主に3つの機能的ベネフィットを提供できると力を込めました。

画像: 本プラットフォームについて説明する当社吉田

本プラットフォームについて説明する当社吉田

1つ目が、決済・ポイント付与・本人確認などをワンストップで実現できるということ。決済や会員確認などの時間が短縮されるだけでなく、セルフレジでも年齢確認商品などを購入できるようになり、セルフレジの利用率が上昇するとともに、会員証自体を発行しなくてよいのでSDGs(※2)にも貢献できます。

2つ目は、登録情報の一括変更です。カード会社は一般的にクレジットカード更新のタイミングで新しいカードを送っていますが、住所情報が古いと新住所をメールや電話で確認してから再送する手間がかかってしまいます。しかし、本プラットフォーム上で更新手続きをすれば、すべてのID連携済みのサービスで一括変更が可能なので、そうした手間を極力省くことができます。

そして3つ目がキャンペーンIDの登録です。食品や飲料メーカーなど、消費財メーカーが行っているキャンペーンは多数あります。一般的な応募までの流れは、容器のシールをはがしてQRコードを表示する、それを読み取ってポイントを貯める、一定のポイントが貯まったらキャンペーンに応募する、というものです。ただ、その方法だとユーザーの負担が大きく、応募者が増えづらいという課題がありました。その点、本プラットフォームに飲料メーカーなどのIDを登録すれば、購入商品情報とID情報から本人同意のもと自動でポイントが貯められます。その結果キャンペーン応募率も高まり、販売促進につながることが期待できます。

その後、東武鉄道 常務執行役員の山本 勉氏が登壇。日立と共同で取り組むにいたった経緯や、同社における本プラットフォーム事業の意義、ファーストユースケースとして日常的に利用できるという観点から株式会社東武ストア(以下、東武ストア)のセルフレジでの導入を先んじて行うことなどを説明しました。

画像: 取り組みの経緯について語る東武鉄道 山本 勉氏

取り組みの経緯について語る東武鉄道 山本 勉氏

※2 Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標。

より多くの企業の参画が社会インフラ化につながる

東武ストアのセルフレジへの導入後は、ユーザー評価を踏まえてプラットフォームの機能を拡張し、決済だけでなく、チェックイン、入退場などさまざまなシーンでの活用を予定しています。また、改札機における認証など、鉄道分野での活用についても検討を進めるほか、鉄道以外の交通、商業施設、ホテル、スポーツクラブ、レジャー施設など、東武グループの各施設への導入を進めます。

画像: 東武鉄道 常務執行役員の山本勉氏(右)と握手を交わす日立の吉田(左)

東武鉄道 常務執行役員の山本勉氏(右)と握手を交わす日立の吉田(左)

さらに、決済ガイドラインなどを共同で検討する株式会社ジェーシービーや、東武ストアでの導入に合わせて行うキャンペーンに参加する飲料メーカーなど、すでに複数の企業からご賛同を得ています。今後もパートナー、導入店舗、それぞれで幅広く参画企業を募る予定であり、より多くの企業の参加が本プラットフォームの社会インフラ化につながると信じています。

パートナープロフィール

東武鉄道株式会社

[所在地] 東京都墨田区押上一丁目1番2号
[設 立] 1897年11月1日
[資本金] 1,021億3,597万1,747円
[従業員数] 3,346人(2023年3月31日現在)
[事業内容]
鉄道、軌道および索道による一般運輸事業、自動車運送事業、不動産の売買、賃貸借ならびにその仲介、鑑定および管理の事業、情報提供・処理サービス業、電気通信事業および有線放送事業、娯楽、スポーツおよび教育機関の経営ならびに旅館業、飲食業、物品販売業、旅行業および広告業その他のサービス事業、土木・建築・造園・電気工事の設計・施工請負事業、発電および電気の供給事業

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