Hitachi
お問い合わせお問い合わせ
日本各地の空港ギフトショップANA FESTAで来店時にマイルが貯まる、顔認証技術を活用したスタンプラリーの実証実験がスタート。実証初日、ANAグループ各社と日立は羽田空港で説明・体験会を開催しました。ここでは、先進的な生体認証技術を活用することで新たな顧客体験価値の創出や店舗への集客、購買率の向上などをめざすこの実証について、説明会当日の様子も交えながら紹介します。

これから訪ねる友人へのお土産を探しに空港のギフトショップへ。電話番号を店頭のタブレット端末に入力すると、端末のカメラが顔をとらえ、一瞬で本人認証が完了。マイルが貯まり、端末の画面にはお店のおすすめ商品情報。お土産選びに迷っていたけど、おいしそうなそのスイーツならきっと喜んでくれそう――。

来店するとマイルが貯まる「顔認証スタンプラリー」が始動

画像: 来店するとマイルが貯まる「顔認証スタンプラリー」が始動

2023年3月29日、ANAグループ3社と日立は空港ギフトショップ来店時にマイルが貯まる「顔認証スタンプラリー」の共同実証実験を開始しました。半年間にわたって全国11空港の「ANA FESTA」20店舗で実施されるこの実証では、ANAマイレージクラブカードやスマホアプリなどを使わずに安心・安全な本人認証を実現する日立の生体情報暗号化技術が採用されています。

実証の初日、ANA Digital Gate株式会社(以下、ANA Digital Gate)、全日空商事株式会社(以下、全日空商事)、ANA FESTA株式会社(以下、ANA FESTA)と日立は、羽田空港で説明会と体験会を開催。まず、各社の関係者が出席した説明会では実証の目的や活用技術、展望などに関するブリーフィングを行いました。

続いて担当者がスマートフォンから個人情報や顔情報を登録し、羽田空港内のANA FESTAに移動してデモを実演。店頭のタブレット端末で顔認証による来店チェックインを済ませるとマイルが貯まり、端末画面には店内で販売するおすすめ商品の情報が表示されました。さらに実証本番では、来店チェックインの回数に応じて、追加のボーナスマイルも貯まる仕組みです。

競争激化のなかでリピーター獲得をめざす空港リテール

近年、空港のリテール市場は競争が激化しています。2016年以降、地方を中心に空港民営化が進むなかで、有力な大手小売事業者も続々と空港リテール市場に参入しており、顧客から選ばれる小売店となるための、より能動的なマーケティング戦略が求められるようになりました。

こうしたなか、ANA FESTAでもスマートな購買体験を提案する無人決済店舗「ANA FESTA GO」の羽田空港や中部国際空港への出店をはじめ、AIを活用した商品ラインアップの選定や商品の期限管理などを自動化する店舗運営のデジタルトランスフォーメーション(DX)などに積極的に取り組んでいます。そのうえで、「リピーターの獲得こそ重要な課題」と説明会の席で言及したのは、ANAグループのリテール戦略を立案・推進する全日空商事の武井 実氏です。

「空港店舗は航空旅客の往路と復路の双方にありますが、やはり主な用途は『お土産』ですから、お帰りの際にショップをご利用いただく機会が多く、往路でのご利用は相対的に少ないのが現状です。今回の顔認証スタンプラリーを機に、往路も含めてお客さまの来店機会を少しでも増やし、お店のリピーターになっていただきたいと考えました」と武井氏。手荷物の多い空港利用者が、カードを取り出したり、スマートフォンのアプリを起動したりといった手間をかけず、電話番号の入力と顔認証だけでマイルを貯められる手軽でスマートな体験を提案したいと言います。

集客効果と広告媒体価値を測定し、より高度な活用も視野に

本実証に先立つ2022年7月から11月にかけて、ANA Digital Gateと日立は、店舗DX化とマーケティング支援を目的に北海道のゴルフ場で「指静脈スマートチェックイン」の実証実験を実施しています。これに続く今回の「顔認証スタンプラリー」は、ANAグループと日立による生体認証技術に関する実証第2弾として実施したものです。

説明会の席上、本実証の企画・設計・運営を担うANA Digital Gateの久保田 真平氏は、「実証を通じて検証したいのは、スタンプラリーによる集客効果や店舗売り上げへの貢献と、チェックイン時に情報を表示する店頭端末の広告媒体価値の測定です」と解説。今回は端末に表示される商品情報は空港単位で一律で、利用者ごとにカスタマイズされた内容ではありませんが、「今後は世代・性別といった属性データや購買履歴情報などをもとに、個々のお客さまに最適な商品情報を表示することで、来店から購買への導線を結ぶような活用も視野に入れています」と、本実証の仕組みをより高度なマーケティング施策にも応用したいと説明しました。

安心・安全で快適な本人認証を実現する先進の生体認証技術

本実証を支えるのは、日立とパナソニック コネクト株式会社(以下、パナソニック コネクト)がそれぞれの強みを持ち寄って実現した高度な生体認証技術です。2023年2月、日立はパナソニック コネクトとの協業を開始し、幅広い活用シーンに向けた新たな生体認証サービスの創出に乗り出しました。

今回の「顔認証スタンプラリー」は、生体情報を暗号化する日立独自の特許技術を活用した公開型生体認証基盤PBI※1と、パナソニック コネクトによる世界一※2の精度を誇る顔認証技術を掛け合わせた初めての取り組みです。PBIを活用した日立の「生体認証統合基盤サービス」は、利用者の生体情報から「鍵」と「鍵穴」を生成し、その照合によって厳格な本人認証を実現しているだけでなく、顔だけでなく指静脈や虹彩(こうさい)といったさまざまな認証モーダルに対応しています。

説明会に出席した日立の真弓 武行は、「生体情報を復元できない形で変換した鍵穴をクラウド上に保管する一方、鍵は認証のたびにすばやく作成され、認証後には端末やクラウドに保存されずに廃棄されるため、生体情報そのものが漏えいすることはありません。仮に悪意を持った内部の人間が漏えいさせたとしても偽造・悪用されるリスクを最小化できます」とその優位性について解説。生体認証に対して、簡単で気軽に使える利便性や精度、スピード以上に、何よりも「安全性」を求める利用者のニーズに応えられる技術だと強調します。

※1 Public Biometric Infrastructure
※2 2022年11月6日のNIST(FRVT 1:1)経年変化評価において、Mugshot(人種・経年変化を含む正面顔データ、他人受入率:10万分の1)で世界1位を獲得。

サービスの水平展開と事業化へ向けた取り組みを加速

画像: ANA FESTA「顔認証スタンプラリー」共同実証
スマートな来店チェックインでANAのマイルが貯まる。
先進の生体認証技術が実現する新たな顧客体験価値。

今後4社は、全国の観光施設や飲食店、レンタカー店などでもANAのマイルが貯まる顔認証のスタンプラリーを展開し、店頭設置の端末で割引クーポンやおすすめ情報を配信するなど、観光施設の集客力向上や地域活性化を促す施策も検討中です。また、今回の顔認証をはじめとして、指静脈などさまざまな生体認証技術を活用した新たなサービスの事業化も視野に、法人向けマーケティング支援や店舗課題を解決するDX支援、スマート決済などのサービス化に向けた取り組みも推進します。

これまで日立は小売店や飲食店、ホテル、サービス施設などでPBIを活用した生体認証技術の多彩なユースケースと豊富な知見を獲得してきました。その蓄積を生かしながら、これからも価値協創のパートナーとして、ANAグループとともに安心・安全でスマートなデジタル社会の実現をめざしていきます。

お客様プロフィール

ANA Digital Gate株式会社

[所在地] 東京都中央区銀座7丁目17番15号
[設立] 2016年10月3日
[事業内容] 「安心安全な決済」を実現する決済ソリューション事業、および「効果的な集客」を追求するマーケティングサービス事業など。

ANA Digital Gate株式会社のWebサイトへ

お客様プロフィール

全日空商事株式会社

[所在地] 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
[設立] 1970年10月15日
[資本金] 10億円
[従業員数] 連結1,891名/単体472名(2022年3月31日現在)
[事業内容] 航空機部品の調達、航空機の輸出入・リース・売却、機内サービス物品の企画・調達、および全国空港売店の運営などの航空附帯事業のほか、紙・パルプや食品の輸入販売、半導体・電子部品の輸出入、広告代理業、インターネットショッピングサイトの運営など。

全日空商事株式会社のWebサイトへ

お客様プロフィール

ANA FESTA株式会社

[所在地] 東京都大田区羽田旭町10-8 ANA Blue Base内
[設立] 1986年4月21日
[資本金] 5,000万円
[従業員数] 553名(2023年4月1日現在)
[事業内容] ANAが就航する国内空港におけるギフトショップやフードショップの展開、オリジナル商品の開発・提案など。

ANA FESTA株式会社のWebサイトへ

他社登録商標
本記事に記載の会社名、商品名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 金融システム営業統括本部

お問い合わせは、こちらから

This article is a sponsored article by
''.