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Lumada Data Science Lab.(以下、LDSL)では、さまざまな事業領域のお客さまとともに、世の中の変化をとらえ、新たな価値を創出する協創プロジェクトを推進しています。Lumadaに蓄積されたソリューションをベースに、多様な技術と知見を取り入れ、イノベーションを創出していく協創事例のひとつを紹介します。

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さまざまな協創事例が生まれるLDSL

 日立はいま、次の社会に向けて新しい価値を創出するデジタルイノベーションに取り組んでいます。さまざまな事業領域のお客さまとともに、人工知能(AI)とアナリティクス、データを活用し、新たな事業やサービスを迅速に立ち上げ、広げていく-そうしたデジタルトランスフォーメーション(DX)を体現するための基盤となるのが「Lumada」です。

 日立は、お客さまとの協創の中で培ってきた専門的知見やノウハウを、すでに1,000件以上のユースケースとしてLumadaに集約。それぞれのユースケースには、適用したLumadaソリューションをはじめ、データからどのように価値を創出したのか、AIやアナリティクスにどのような技術を適用したのかといった要素が体系的に整理されています。

 これを、新たな協創を推進する際に、日立のデータサイエンティストが、お客さまの経営課題に適した形で活用し、業務適用に不可欠なOTの知見も盛り込みながら、確かな価値を創出するデジタルソリューションとして提供していきます。

 そうしたLDSLの協創事例のひとつが、帝人株式会社(以下、帝人)との「新素材の研究開発におけるDX推進プロジェクト」です。

新素材の研究開発におけるDX推進プロジェクト

 最適な特性を備えた新素材を作るには、多くの研究やテストが必要です。これまでは、そのためのデータ収集に膨大な時間とコスト、人的リソースを費やすことが当たり前とされていましたが、急速に進化したAIとアナリティクスにより、その精度とスピード、効率性を飛躍的に高めることが可能となっています。

 マテリアル、ヘルスケア、ITといった異なる3つの事業領域の融合で、新たな価値を創造する帝人。同社はアラミド繊維、炭素繊維、複合成形材料などのマテリアル事業において、国際競争力をさらに高めるため、蓄積したシミュレーションデータや実験データの分析により、新素材開発を促進する「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」の取り組みを進めてきました。そして2020年、新素材の研究開発におけるDX推進に向けて、MIにおける多くの実績と先進のデジタル技術を保有する日立との協創を開始しました。

画像: 帝人と日立の協創イメージ

帝人と日立の協創イメージ

研究手法やノウハウを利活用するためのサイバーフィジカルシステムを構築

 帝人と日立は、両社共同のワークショップでディスカッションを重ね、データ収集効率の向上やMIによる研究開発のさらなる加速に向けたグランドデザインを策定。研究者・組織間での研究手法や研究データ、ノウハウを共有・利活用するための統合データベースを構築し、フィジカル空間から蓄積されたデータをサイバー空間上のAIで分析・知識化。再度フィジカル空間へフィードバックする循環によって、新素材の研究開発における新たな知見の獲得や、さらなる高度化を図るサイバーフィジカルシステム(CPS)の構築に取り組むことをメインテーマに据えました。

 そのCPSで活用される技術のひとつが、日立の「単語抽出AI」です。これは大量の特許文献から、材料開発に必要な実験データや図表データを自動的かつ高精度に抽出するもので、今まで人手で行ってきた特許要約データの収集効率を向上させ、現場の研究者に新しい発想や創造性を発揮するのに専念してもらえる環境を提供します。

 また、電子顕微鏡などの画像から素材の成り立ちや特徴量を抽出・識別して、データの意味づけや解釈の定量性を高める「材料画像情報抽出AI」も合わせて、MI実行に不可欠となるデータ生成・整備を支援。Lumadaソリューションのひとつである「材料開発ソリューション」と連動し、AIなどを活用したデータの多角的分析や、三次元でのグラフィカルな可視化を実現する分析環境も提供します。

 さらに、MIの豊富な経験を持つ日立のデータサイエンティストが、きめ細かな分析支援も行うことで、素材開発に役立つ帝人の人財育成にも貢献していきます。

画像: 協創事例
AIとアナリティクスの力でお客さまのDXを加速させていく

協創の森

 Lumada Data Science Lab.は、2019年4月に中央研究所(東京都国分寺市)に開設された研究開発拠点「協創の森」で活動しています。協創の森の中枢となる施設が、地上4階建て・延べ床面積約16,000平方メートルの協創棟です。ここには、お客さまやパートナーの皆さまと日立が協創するための「プロジェクトスペース」のほか、約350名を収容可能な「日立馬場記念ホール」、アイデアソンやハッカソンなど、社内外の人々との協創ワークショップを実施する「NEXPERIENCEスペース」、打ち合わせや講演会などにも対応できる「カフェライブラリー」などを設置。オープンイノベーションを実現するために必要な機能と環境が整備されており、お客さまとの協創プロジェクトが継続的に行われています。

他社登録商標
本誌記載の会社名、商品名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先・情報提供サイト

(株)日立製作所 Lumada Data Science Lab 事務局

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