まだまだハードルが高いマイクロサービスの導入
いま企業では、市場の変化に即応したサービスのタイムリーな投入や、ニューノーマル(新常態)時代のDXの加速など、ビジネス変革に耐えうるシステム基盤の刷新に向けた、モダナイゼーションへの機運が高まっています。その実現を支えるテクノロジーとして注目されているのが、アプリケーションを独立した小さなサービスに機能分割し、複数のサービスを連携させて1つのアプリケーションとする開発手法のひとつであるマイクロサービスです。
マイクロサービスは、これまでのようなモノリシック(一枚岩)なアーキテクチャーではなく、サービスが細かく分割されていることから、システムの追加開発や改修が容易で、クラウドネイティブなサービスに適している点も注目されています。
しかし、サービス間におけるデータの整合性やパフォーマンスの確保が難しいといった課題があり、特に大規模なエンタープライズシステムでは、アプリケーションの設計難易度が高くなると指摘されています。
また、マイクロサービスの導入にあたっては、クラウドの活用やコンテナ(*1)環境の構築・運用管理に加え、マイクロサービスに必要となるフレームワーク・OSSの知識、マイクロサービスの開発に適したDevOps(*2)環境の設計など、幅広く高度な技術が必要です。これらが多くの企業にとって導入の大きな障壁となっています。
*1 アプリケーションコードをパッケージ化することで、さまざまな環境下で実行可能としたもの
*2 開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせたもので、開発側と運用側が密に連携し、運用側が要求する新機能の開発や改修などを行う手法や概念
マイクロサービス導入時に必要となるさまざまな技術支援を提供
日立は2019年、クラウドネイティブなサービス開発に豊富な実績を有するレッドハット株式会社とともに、アプリケーションのリリースサイクルを短縮できるマイクロサービスの容易な導入に向け、エンタープライズシステムに求められる可用性や信頼性を確保するための、システム方式設計(*3)の観点をまとめたガイドラインを整備しました。それをベースに、マイクロサービスの適用可否を含めた導入コンサルティングから、アプリケーションアーキテクチャーの設計、クラウド・コンテナへの移行支援、DevOps環境の設計・構築支援まで、多岐にわたる技術と知識を体系化して提供するのが「マイクロサービステクニカルソリューション」です。
本ソリューションの活用によりお客さまは、DXに必要な変化に強いITシステムへのモダナイゼーションを実現することが可能です。
*3 要件定義後に行われるシステム開発の設計工程のひとつで、システム実装に向けて、ハードウェアやソフトウェアなどのインフラ構成や、開発フレームワーク、プログラミング言語などシステムの構成・方式を決定すること。ここでの決定が全体のシステム開発に大きく影響する
マイクロサービステクニカルソリューションを構成するサービスの特長
導入コンサルティングおよび基礎教育
マイクロサービスの適用可否の判断やクラウド・コンテナ製品の選定、開発・運用プロセスの策定など、マイクロサービスを実現するために必要となる検討作業の支援を行います。また、クラウドやコンテナ、OSS、DevOpsなどの技術について、お客さまのご要望や習熟レベルに合わせた基礎教育も実施します。
アプリケーションアーキテクチャー設計支援
マイクロサービスやクラウド、コンテナなどの技術に精通した日立のITアーキテクトと、豊富なアプリケーション構築実績・設計ノウハウを有するアプリケーションスペシャリストが、エンタープライズシステムに求められる非機能要件と、お客さまのビジネス要件に適したアプリケーションアーキテクチャーの設計を支援します。
クラウド・コンテナ移行支援
日立は同時稼働数が2,000を超えるコンテナの運用実績を有しています。それらのノウハウを活用し、既存アプリケーションのコンテナ対応のほか、コンテナ実行環境の構築、クラウドマネージドサービス活用、クラウド環境の運用設計・構築など、ITインフラのモダナイゼーションを支援します。
開発プロセスおよび開発環境設計・構築支援
日立の標準開発方法論をベースに、お客さまのプロジェクトに適した開発プロセスの策定や、ビルドからデプロイ、テストまでの一連の作業を自動化するDevOps環境の設計・構築を支援します。
ニューノーマル時代におけるDXを支援
今後も日立は、ニューノーマルの時代における多様なニーズや社会変化に柔軟に対応できるITシステムの実現に向けて、最適なモダナイゼーションを支援するソリューションの提供・強化に取り組み、お客さまの新たなビジネス創出に貢献していきます。
他社登録商標
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