第1回ではLumadaアライアンスプログラムの概要と、日立のデザインアプローチの一つである「未来洞察手法」を用いたワークショップのねらいについて、Lumadaアライアンスプログラム責任者のインタビューを交えてお届けします。
パートナーとエコシステムを構築するLumadaアライアンスプログラム
社会や企業を取り巻く課題が複雑化し、単独の組織では解決が困難となっている今日、新ビジネスの創出においても協創を軸とした新たな方法論が求められています。日立は最新のデジタル技術を活用しながらお客さま・パートナーと知恵を結集することでイノベーションを加速し、お客さまのDX推進と新たなビジネス創出をサポートするアプローチを「Lumadaによる顧客協創フレームワーク」と呼び、力を注いでいます。

このフレームワークを構成する要素の一つが「Lumadaアライアンスプログラム(以下、LAP)」と呼ぶパートナー制度です。「技術・ノウハウ・アイデアを相互に活用し、データから新たな価値を創出することで、人々のQoLの向上と社会・経済の持続的な発展に貢献する。その価値を循環させ、ともに成長していく」というビジョンに賛同したパートナーが参画し、それぞれの強みを生かしたエコシステムを構築することにより、単独で解くことが難しい社会課題の解決と価値提供を実現します。

株式会社日立製作所
更田 洋吾
LAPがオープンイノベーションを加速する場(コミュニティ)となり、日立とパートナー同士のさまざまな知見、ノウハウを組み合わせることにより、新たなソリューションやビジネスを生み出していきます。それらをユースケースとしてさらに活用することで、また新たな価値を生み出していくという価値創造の連鎖をめざす取り組みです。

パートナーと日立が気軽にアイデアを語り合う場をつくる
LAPではこれまで、ポータルサイト「Lumada Alliance Program ポータル」を通じたパートナーの強みに関する日立内外への情報発信や、Lumada Innovation Hub Tokyo(以下、LIHT)での協創事例紹介イベント、パートナー同士の交流会などを開催してきました。今回、開催された「Lumadaサロン―未来洞察ワークショップ」は、それらとは少し異なる角度から新たに企画されたイベントです。そのねらいについて、Lumadaアライアンスプログラムの責任者を務める日立の更田洋吾は次のように説明します。
「LAPの活動ではこれまで、実際の案件に対してパートナー企業の強みを生かして日立と一緒に新ビジネスを提案することや、既存の製品・サービスを組み合わせて新しい価値を生み出すことなどを数多く行ってきました。今回はそこから一歩踏み込んで新たなアイデアやビジネスチャンスを生み出していきたいと考え、旬なテーマを題材にパートナー企業と日立が気軽にアイデアを語り合える場『Lumadaサロン』を企画し、その初めての試みとして『未来洞察ワークショップ』を開催しました」。
LIHTのサービスメニューの一つである「未来洞察手法」を活用した今回のワークショップには、パートナー企業5社、日立の3事業部から1人ずつ、計8名が参加。意見やアイデアを出し合い、日立のデザインプロジェクト専門チームであるDesignStudioのメンバーがファシリテーションを行います。

「オープンイノベーションのリアルな場であるLIHTと、協創のプロフェッショナル集団であるDesignStudioには創造的なワークショップを行えるケイパビリティがあります。和やかな雰囲気の中で参加された皆さんとのネットワークを深めるとともに、実践的なアイデア出しの手法を体感してもらうことで、その価値を知っていただきたいという思いもあります」と更田は企画の背景を語ります。
では、未来洞察ワークショップでは実際にどのようなことが行われたのでしょうか。
当日のレポートは第2回でお届けします。