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安全性と確実性に加え、効率性も重視しながら進められた基幹システムのマイグレーション。さらに、移行後はシステムの常時監視で安定稼働化を実現しました。第1ステップとしてのプライベートクラウド移行を予定どおり完遂したセコム損害保険株式会社(以下、セコム損保)では、次期システム構想をさらに前進させるための取り組みが現在も進行中です。

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効率的でスムーズな移行を実現した日立のマイグレーションサービス

2021年10月に着手したセコム損保の基幹システムマイグレーションプロジェクトでは、さまざまな業界のお客さまシステムの移行で多数の実績を重ねてきた日立の「Application Lifecycle Management(ALM)サービス」「マイグレーションサービス」を活用しました。これらのサービスにおける主要な2つの機能が、今回のマイグレーションに安全性と確実性に加えて、効率性と円滑性をもたらしています。

まず、日立の高度な解析技術による、ALMサービスの「プログラム仕様可視化」です。ブラックボックス化されていたプログラム呼び出し/ジョブフロー/画面遷移情報を分析し、既存プログラムの棚卸しを実施。稼働しないまま残されていた不要なプログラムを特定し、移行対象プログラムを削減しました。

画像1: セコム損害保険株式会社「基幹システムマイグレーションプロジェクト」
第2回 次期システム構想を新たなステップへ

セコム損害保険株式会社
システム企画部 特命課長
安藤 公俊 氏

さらに、マイグレーションサービスの「移行性分析」でプログラムやデータの特性を精査し、移行方法やツールの精度向上を図ることで移行作業を最適化。従来の基幹システムにはストレートコンバージョンが可能なCOBOL以外にも、アセンブラやJCLなどソースコードの変更が必要なプログラムも含まれていましたが、この機能によりスムーズな移行を実現しています。

本プロジェクトを担当した安藤 公俊氏は「プログラムの棚卸しの結果、不稼働プログラムが5割程度あることが判明しました。不要なものをこれほど移行せずに済んだのは評価できる点です」とプログラム仕様可視化サービスの成果に言及。また、移行性分析についても「分析結果を踏まえて移行ツールの精度向上を図り、スムーズに移行を進められました」と振り返ります。あわせて、高性能な「Hitachi Cloud」のプライベートクラウド環境を利用して処理速度が顕著に向上したことで、オンライン処理の高速化や、長時間を要していた大量のバッチ処理などの時間短縮も図れたと言います。

困難を乗り越え、安定稼働を実現した総合力

本プロジェクトでは、プライベートクラウドの基幹システム稼働開始を2024年5月に設定。もしこれが遅れると、保険商品の料率改定などのシステム対応の着手が遅れ、業務運営に多大な影響が生じるリスクがありました。こうしたなか、移行作業終盤になって既存システムに残されていた複数の課題が顕在化。この事態に日立は即座に専門の対応チームを編成するなど対応態勢を強化して、厳しい局面を克服しました。ともに尽力したセコム損保は、この難局を打開できたケイパビリティこそ日立の総合力のたまものと高く評価します。

画像2: セコム損害保険株式会社「基幹システムマイグレーションプロジェクト」
第2回 次期システム構想を新たなステップへ

セコム損害保険株式会社
システム企画部
開発・運用管理グループ課長
倉田 啓介 氏

こうして予定どおりに移行作業が完了し、2024年5月からセコム損保の基幹システムは「Hitachi Cloud」のプライベートクラウド環境で稼働を開始しました。そして引き続き日立は、稼働後の一定期間、基幹システムの稼働状況を24時間監視しながら不具合などに即時対応。業務に大きな影響を与えることなく安定稼働を実現しています。

「マイグレーション後には、保険商品の料率改定などのシステム対応が控えていたため、予定の期限内に新環境を稼働させられて本当に安堵(あんど)しました」と語るのはプロジェクトに参加した倉田 啓介氏。システム稼働後の日立のサポートについても「移行後も不測の事態に備えていましたが、当社と密にコミュニケーションを図りながら問題にも迅速に対応してもらえたことで、契約者や代理店との業務に大きな影響を与えることなく、安定的なシステム運用を実現できました」とその成果を認めます。

また、本プロジェクトは基本的にプログラムの機能に追加・変更を加えないプラットフォーム移行とし、エンドユーザーの使い勝手を変えないことで、業務への影響を回避しました。むしろ、基幹システムのクラウド移行をほとんどのユーザーに気づかれず、ユーザビリティや業務に影響を与えない形でマイグレーションを実現できたことの意義は大きかったとセコム損保は言います。

変化に即応してビジネスに貢献できる次期システムの実現に向けて

地球温暖化などに起因する自然災害の激甚化、少子高齢化にともなうドライバー人口減少、そしてAIによる自動運転の進展など、損保業界を取り巻く事業環境も大きな転換点を迎えようとしています。そのような将来を見据えて、セコム損保では次期システム構想が現在も着々と進行中です。

画像3: セコム損害保険株式会社「基幹システムマイグレーションプロジェクト」
第2回 次期システム構想を新たなステップへ

セコム損害保険株式会社
執行役員 システム企画部長
片山 晋治 氏

「業界を問わず、変化の激しい時代のビジネスには高い俊敏性と柔軟性が求められます。今後めざすのは当社の持ち味である商品開発力をさらに高め、魅力的な保険商品をタイムリーに提供できるようなシステムです」と展望するのは本プロジェクトの責任者である片山 晋治氏です。そして今後も、進展著しいAIやDXなどに関する日立の技術力や提案力に大いに期待したいと片山氏は言います。

そのニーズに応えられるよう、日立は本プロジェクトに続き、セコム損保の次期システム構想におけるモダナイゼーション、DX推進に関して、AIなどの最新技術を活用した課題解決をサポートしていく予定です。また、本プロジェクトを通じて得られた貴重な知見を駆使しながら、金融業界をはじめとするお客さまのミッションクリティカルシステムのマイグレーションやモダナイゼーション、さらにはDX推進をこれからも力強く支援していきます。

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 金融システム営業統括本部

https://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/

関連リンク

・セコム損害保険株式会社
https://www.secom-sonpo.co.jp/
・Hitachi Cloud
https://www.hitachi.co.jp/cloud/
・Application Lifecycle Management (ALM) サービス
https://www.hitachi.co.jp/products/it/appsvdiv/service/alm/
・マイグレーションサービス
https://www.hitachi.co.jp/products/it/appsvdiv/service/migration/

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