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セコム損害保険株式会社(以下、セコム損保)は、メインフレーム環境で長年運用してきた基幹システムをプライベートクラウド環境へ移行するマイグレーションを実施。金融業界ではまだ前例の少ないミッションクリティカルなシステムのクラウド移行は、レガシーシステムが抱えるさまざまな課題を解決するために、セコム損保が検討を進めている「次期システム構想」実現に向けた確かな一歩となりました。

レガシーシステムの課題が迅速な保険販売の制約に

火災保険や自動車保険、がん保険などを提供するセコム損保は、セキュリティ事業を中心に防災や医療など幅広い事業を展開しているセコムグループの一員です。同社では、ホームセキュリティシステムの導入により保険料が割引となる火災保険やセコムの緊急対処員が事故現場に駆けつける現場急行サービス付きの自動車保険といったセコムグループの経営資源を生かした独自の保険商品を次々と販売。さらに、自由診療の治療費も実額補償する新コンセプトのがん保険など、他社にはなかった魅力的な商品・サービスを提供しています。

画像1: セコム損害保険株式会社「基幹システムマイグレーションプロジェクト」
第1回 基幹システムをメインフレームからクラウドへ

セコム損害保険株式会社
執行役員 システム企画部長

片山 晋治 氏

これまで同社の事業を支えてきたのは、契約者情報などを管理する基幹システムです。約30年以上にわたってメインフレーム環境で運用されてきたこのシステムは、さまざまな課題に直面していました。事業を取り巻く環境変化などを受けた新商品開発や制度改正対応のため、アプリケーションの部分的な改修を重ね続けた結果、システムは次第に肥大化・複雑化。そのありようを、さながら“増改築を繰り返した老舗旅館”のようだと例えるのは、同社執行役員の片山 晋治氏です。

「損害保険業界ではおおむね1~3年の間隔で保険料率が改定されますが、システムの肥大化・複雑化により、迅速なシステム改修が難しくなっていました。そうなると、市場に向けたタイムリーな商品開発が競合他社に一歩後れを取ることにもなりかねません」と、片山氏はシステム改修のリードタイム増大が、保険販売の機会損失をもたらしている可能性に言及します。

次期システム構想と、その第1ステップとしてのマイグレーション

長年のメインフレーム運用にともなうプログラムの肥大化・複雑化がシステム開発の長期化・高コスト化を招く一方で、メインフレーム環境に対応可能なIT人材の減少が見込まれていたことも1つの懸念材料でした。さらに、基幹システムだけでなく、その周辺システムにも課題を抱えていると指摘するのは同社システム企画部の倉田 啓介氏です。「代理店向けシステムや保険金支払いシステムなどの周辺システムが老朽化しており、その刷新と基幹システムとの連携の難しさも長年の課題となっています」と倉田氏は説明します。

画像2: セコム損害保険株式会社「基幹システムマイグレーションプロジェクト」
第1回 基幹システムをメインフレームからクラウドへ

セコム損害保険株式会社
システム企画部
開発・運用管理グループ課長
倉田 啓介 氏

こうした長年の課題を解決しようと、セコム損保は次期システム構想の検討に着手。まず決定したのは、これまでメインフレーム上で稼働していた基幹システムをマイグレーションすることでした。同社はこのマイグレーションを次期システム構想の第1ステップに据え、長年にわたって同社基幹システムの保守・開発を担ってきた日立も含めたITベンダーやSIer数社に提案を要請。各社のプランを比較検討したうえで、プロジェクトパートナーを選定することになりました。

日立から安全・確実なマイグレーションを提案

既存の基幹システムで稼働していたプログラムの多くは、COBOL85で開発されたものでした。メインフレームからクラウド環境への移行であれば、プログラム言語をCOBOL85から、より柔軟で汎用的なJavaなどにリライトするアプローチも考えられます。

画像3: セコム損害保険株式会社「基幹システムマイグレーションプロジェクト」
第1回 基幹システムをメインフレームからクラウドへ

セコム損害保険株式会社
システム企画部 特命課長
安藤 公俊 氏

しかし、システムの肥大化・複雑化によってブラックボックス化したプログラムのリライトには予測困難な障害が付きものであり、企業活動の根幹を支える基幹システムを取り扱う以上、そうした不確実性は極力回避しなければなりません。実際、次期システム構想を担当する同社特命課長の安藤 公俊氏は「今回のマイグレーションでは、エンドユーザーの業務への影響を考慮して安全で確実な方法を選びたいと考えていました」と急激な変化は避けたかったと明言します。

そこで日立は、従来のCOBOL85からオープン系のCOBOL2002へのプログラムのリライトを提案。マイグレーションでは安全性と確実性を最優先し、次のステップとして基幹システムを大きく刷新する――いわば、最重要な基幹システムであるからこそ一足飛びの進化をめざすのではなく、一つひとつ着実に歩を進める段階的なアプローチの重要性を訴えました。またプラットフォームについては、セコム損保が利用するデータセンターにおいて「Hitachi Cloud」のプライベートクラウドを構築し、同社のセキュリティポリシーに対応することで機密性が高く、情報漏えいのリスクが低いクラウド環境を提案しています。

こうした提案内容に加え、多様な業種のお客さま企業におけるシステムマイグレーションの豊富な実績、さらに長年にわたるシステム保守・開発の経験を通じて培ったセコム損保の業務やシステムに関する高い理解度などについて、セコム損保は日立を高く評価。次期システム構想の第1ステップとなる基幹システムのマイグレーションを担うパートナーに日立を選定しました。

第2回 次期システム構想を新たなステップへはこちら>

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 金融システム営業統括本部

https://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/

関連リンク

・セコム損害保険株式会社
https://www.secom-sonpo.co.jp/
・Hitachi Cloud
https://www.hitachi.co.jp/cloud/
・日立のITモダナイゼーション
https://www.hitachi.co.jp/products/it/appsvdiv/it-modernization/

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