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緊密なチームワークで現場の生の声を丁寧に聞きながら開発が進められる「建設承認メタバース」。建設現場での試行を通じて進化を重ねるこの先駆的な試みがさまざまなシーンで証明するのは、多人数に開かれた仮想空間の明確な有用性です。さらに、必要な情報やデータを一元管理・蓄積するこのメタバースからは、業務スタイルや組織のプロセスがドラスティックに変革されていく未来も見えてきます。

「第1回 建設現場のデジタル化で円滑な合意形成を支援」はこちら>

最適解へのあくなき探求は、組織や立場や国境を越えて

画像1: 大成建設株式会社「建設承認メタバース」開発プロジェクト
第2回 DXで加速する次世代業務スタイルへの変革

大成建設株式会社
建築本部
プロジェクト・マネジメント部
電力施設計画室長
池田 浩也 氏

大成建設株式会社(以下、大成建設)が開発中の「建設承認メタバース―CONSTRUCTION CONTRACT QUEST―(以下、C2QUEST)」は、現在同社が進める新研究棟建設計画において試行・検証を推進中です。そこでは大成建設と日立がともに同じ課題と向き合い、一緒に悩みながら、よりよいサービスの模索が続けられています。「建設現場でのミーティングに日立さんも同席され、現場のリアルな声から得られた気づきやアイデアを開発にフィードバックして、2週間後にはよりブラッシュアップされた形で提示してくれる。そのスピード感にはいつも助けられています」と“現場志向のアジャイル開発”を評価するのは建築本部 プロジェクト・マネジメント部の池田 浩也氏です。

また本プロジェクトには、GlobalLogicのインドチームも参画。まず日立コンサルティングやGlobalLogic Japan株式会社(以下、GL Japan)が現場ニーズを確認して実装する機能の仕様や優先度を決め、世界水準の開発力を持つインドチームに作り込んでもらう、という工程を2週間周期で重ねています。

画像2: 大成建設株式会社「建設承認メタバース」開発プロジェクト
第2回 DXで加速する次世代業務スタイルへの変革

株式会社 日立製作所
アプリケーションサービス事業部
DXデリバリ推進本部
兼 GlobalLogic Japan
市川 雄二郎

GL Japanのメンバーとして開発に携わった日立の市川 雄二郎は、「技術的にできることが増えるだけ新しい発想や新しい課題も見えてきます。今回は現場の方々の気づきや意見を基に、3Dアプリケーションを示したその場で修正し、合意を得るライブコーディングの手法で進めています」と開発手順の一端を紹介。こうしたやり取りを通じて、狭小空間の内部からの視点を得るためにアバターを小型化する機能や、車いすの衝突判定機能などが追加されてきました。さらに、大成建設の他部署の社員にも実際に体験できるメタバースを見せると、各人が“自分事化”するようになり、多くの貴重な意見を集められたと言います。

認識の空白を埋める3次元空間での直感的な体験

画像3: 大成建設株式会社「建設承認メタバース」開発プロジェクト
第2回 DXで加速する次世代業務スタイルへの変革

大成建設株式会社
建築本部
プロジェクト・マネジメント部
電力施設計画室
課長
川瀬 豪 氏

仮想空間内部にアバターとして身を置けるからこそ得られる気づきは、従来のBIMにはないメタバースならではの強みです。「例えば、平面図ではそこにあるということだけしか分からない排気ダクトも、メタバースならそれがどの程度の高さで、どのように配置されているかが文字どおり一目瞭然になります。その結果、現在建設中の当社新研究棟でも図面上では意識されなかったダクトと他の構造部材との干渉が懸念され、配管ルートの設計が見直されることになりました」と建築本部 プロジェクト・マネジメント部の川瀬 豪氏。また、同じ研究棟で関係者の多くが木製だと想定していた部材が、アバターの“目視”を通じて金属製だと認知され、改めて木製に変更されたとか――。

画像4: 大成建設株式会社「建設承認メタバース」開発プロジェクト
第2回 DXで加速する次世代業務スタイルへの変革

株式会社 日立製作所
アプリケーションサービス事業部
DXデリバリ推進本部
兼 GlobalLogic Japan
鳴海 寛之

一方、最近自宅を新築したという日立の鳴海 寛之は「事前に設計士から吹き抜け部分の窓の大きさや高さについて希望を聞かれたのですが、図面や数値を示されてもまったくピンと来なかった。もしそれをC2QUESTで確認できればより直観的に判断できたはずです」とメタバースの価値を再認識した経験を回想します。

働き方を進化させ、これからも「地図に残る仕事。」を――

現在すでに協力企業の力も借りながら、生成AIを活用した議事録の自動生成機能を組み込んだほか、今後は各種関連帳票の取り込み機能も実装するなど、C2QUESTのさらなる機能強化・拡充を計画。そして2024年6月には、お客さま案件の建設現場への適用を開始する予定です。なお、BIMデータを基に半ば自動的にメタバースを生成するC2QUESTですが、現状BIMデータ内の用語表記の揺らぎなどがメタバース生成の自動化を妨げているため、今後はBIM作成に関する細かなルール策定や用語の標準化を進めていく必要があると言います。

建設現場での業務も、PCを介してリモート対応できるようにするC2QUEST。この建設承認メタバースの中で業務を完結できるということは、業務全体がデジタル化されることを意味します。そしてそれは、働き方改革をさらに加速させるとともに、AIに代表される先進デジタル技術の活用可能性をも広げていくことでしょう。こうした展望の根底には、DXで単に新しい仕組みを作るだけでなく、その力で業務スタイル、さらには組織のプロセスまでも変革していこうという大成建設の強い意思があるのです。

画像5: 大成建設株式会社「建設承認メタバース」開発プロジェクト
第2回 DXで加速する次世代業務スタイルへの変革

株式会社 日立コンサルティング
社会イノベーションドメイン
社会イノベーションディビジョン
ディレクター
古川園 清三

「作って終わりではなく、実際に使われて効果をもたらし、業務が変革されることが肝要なのです。だからこそ、私たちはお客さまの内側に入り込み、ワンチームとして新しい業務スタイルの変革を絶えず追求していきます」と日立コンサルティングの古川園 清三が今後の協創を見据える一方で、大成建設が日立に期待するのは、本プロジェクトだけに限定されない、広範な業務課題の解決に資するDXの提案だと言います。

画像6: 大成建設株式会社「建設承認メタバース」開発プロジェクト
第2回 DXで加速する次世代業務スタイルへの変革

大成建設株式会社
社長室
DX戦略部 DX推進室
データビジネスストラテジスト
池上 晃司 氏

「これからの時代、当社が掲げる『地図に残る仕事。』を実践していくには、社会を取り巻くさまざまな社会課題に対応していく必要があります。そのためには、変化する社会に寄り添いながら仕事のあり方も、そして働き方も変革していかねばなりません」とはDX戦略部 DX推進室の池上 晃司氏の言葉です。その決意に共鳴し、ともに時代の最適解を探求しながら、今後も日立は高度なDXを通じて大成建設、そして建設業界の業務スタイル変革を後押ししていきます。

画像: 働き方を進化させ、これからも「地図に残る仕事。」を――

大成建設株式会社

[所在地] 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル
[設 立] 1917年12月28日(創業:1873年10月)
[資本金] 1,227億4,215万8,842円
[事業内容] 日本5大スーパーゼネコンの一角を占める大手総合建設会社。建築・土木の設計・施工をはじめ、環境、エンジニアリング、原子力、都市開発、不動産などに関連した幅広い事業を国内外で展開している。

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他社登録商標
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お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 デジタルエンジニアリング お問い合わせ
https://www.hitachi.co.jp/lumada/inq/

株式会社 日立コンサルティング
https://www.hitachiconsulting.co.jp/

関連サイト

次世代の業務スタイルへの変革を推進する「建設承認メタバース™」の開発に着手
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/09/0908.html

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