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誰も置き去りにすることなく、新たなテクノロジーの力で社会や暮らしを変革していく――地域行政のデジタル化に向けた連携協定のもとでスタートした意欲的な実証は、さまざまな成果を生み出しながら、現在その第2弾が進行中です。今回の「後編」では、実証第1弾の成功要因や、この成功を受けて現在進行形の実証第2弾における新たな取り組み施策、さらに今後の展望などについて紹介します。

→「手ぶらキャッシュレス実証事業」第1弾の概要や成果などについて紹介した「前編」はこちらから

客層を広げ、家族をつないだキャッシュレス決済

画像: 客層を広げ、家族をつないだキャッシュレス決済

「手ぶらキャッシュレス実証事業」期間中のある日、玉川村のコンビニエンスストアにやって来て指静脈認証でお菓子を購入した買い物客の姿が、店のスタッフを驚かせました。というのも、その小さなお客さまは、まだ買い物なんてほとんどしたことのないような5歳ほどの幼い男の子だったのですから――。

このほほ笑ましい事件、実は玉川村デジタル地域商品券を購入した方が、子どもたちや祖父母など家族みんなの指静脈を登録したことから生まれたシーンでした。商品券購入額の範囲内で、例えば「500円まで」といった具合に使わせる上限額をあらかじめ伝えておけば、親も安心して子どもにキャッシュレス決済を利用させることができるという実例です。

指静脈登録者の最高齢は80歳だったというキャッシュレス決済の家族利用は、協力店から「客層が広がった」と歓迎されるとともに、さらに思わぬ効能も生んだと関根氏は言います。「東京で暮らす息子さんがご両親のためにご自分のスマホとクレジットカードで玉川村デジタル地域商品券を購入されたのですが、ご両親が村内のお店で買い物をするたびに、東京の息子さんのスマホに通知が届く。つまり、この実証がいわゆる“見守りサービス”としても機能していたのです」

人々の毎日と意識を変えたデジタル技術の成果

このようにさまざまな波及効果も生み出しながら成功のうちに終わった「手ぶらキャッシュレス実証事業」。その成功要因を佐久間氏は「利用者が意識することなく、日々の暮らしのなかで最新のデジタル技術の恩恵を享受できるシンプルな仕組みを提供できたことがたくさんの人に評価されたのだと思います」と分析します。

また本実証にともない、全国放送のニュースで取り上げられたり、各地の自治体から村に視察団が訪問したりと玉川村が大きな注目を集めたことを踏まえ、「村民の方々もこれまで以上に村の取り組みに関心を持つようになってくれました。そして私たち村の職員にとっても、この結果は『デジタル技術を行政に生かしていけるんだ』という自信や意識改革につながりました」と添田氏。実証の成果が、より広く、より深くまで及んでいることをうかがわせます。

その後、実証の成功を受けて玉川村では、手ぶらキャッシュレス決済の本格的な展開を視野に、実証第2弾を推進することで各社と合意。2023年7月末からスタートした2回目の実証事業は、2024年1月のゴールに向けて現在も進行中です。

生体認証技術のさらなる可能性を探る実証第2弾

実証第2弾では、利用者数の枠を広げ、対象店舗も村内全域に拡大。「幸い、前回の実証では決済がうまくいかなかったというトラブルが一切なかったので」という添田氏の言葉からも、利用者数や店舗・施設数のスケールアップの背景に、生体認証技術や決済システムに対する強い信頼がうかがえます。

一方で、前回の実証で顕在化したいくつかの課題にも対応。事前の指静脈登録会での参加者と対応者双方の負担が想定よりも大きかったため、第2弾ではその内容やオペレーションを見直しました。また、協力店舗から認証専用端末の操作に関する問い合わせが多数寄せられた問題に対しては、より分かりやすくなるよう操作UIやマニュアルの改善を図っています。

さらに実証第2弾では、前回と同じ指静脈認証による手ぶらでのキャッシュレス決済だけでなく、生体認証による新たな施策も追加されました。例えば、ユーザー自身がスマートフォンから登録できる顔認証を活用した村内施設への入退館や玉川村役場職員の勤怠管理、指静脈登録と連携した公的個人認証サービスの「マイナンバーカードによる身元確認」の試験導入など、今後の本格的な住民へのサービス適用に向けた実証を推進しています。

誰も取り残さない“人が中心”の自治体DXを日本全国へ

現在、先行した玉川村が中心となって、「手ぶらキャッシュレス実証」の対象地域を拡大しようという計画を近隣4町村と協議・検討中です。自家用車で近隣市町村に買い物に行くことが一般的だという地域性を考えれば、より大きな商圏まで利用範囲を広げることで住民にとっての利便性もさらに高まることでしょう。

第2弾から初めて実証に参加する企画政策課の齋籐 真美氏は、「本実証はDXの取り組みでありながら、スマホなどのデジタル機器を利用しない人にも恩恵をもたらしています。技術が一人歩きするのではなく、誰も取り残さない、あくまでも人ありきの試みだと感じています」と本実証の意義を指摘します。

また、地方創生という観点からデジタル技術のさまざまな活用可能性が見えてきたことも一連の実証の大きな収穫だったと添田氏。「けれどデジタル技術はあくまでも手段であって、それを使って価値を生み出すのはやはり人なのです。今回、いろいろな局面で丁寧に対応してくれた日立をはじめ各社関係者の皆さんの真摯(しんし)な姿勢に、私たちは改めて人の力というものを実感させられました」という言葉は、齋籐氏の指摘と相まって、人とデジタル技術とのあるべき関係性を示唆しているのではないでしょうか。

人が創り、人に寄り添うデジタル技術で地域振興の新たな可能性を追求する4者連携協定。その一員である日立はこれからも玉川村と手を携えながら、自治体DXの先進モデルとして「手ぶらキャッシュレス実証」の全国展開をめざしていきます。

お客様プロフィール

福島県玉川村

[所在地] 福島県石川郡玉川村大字小高字中畷9
[人 口] 6,093人(2023年7月1日現在)
[世帯数] 2,142戸(2023年7月1日現在)
[職員数] 70名(2022年4月1日現在)

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株式会社 日立製作所 金融システム営業統括本部

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