企業内システムとパブリッククラウド間のデータ連携が困難に
現在、さまざまな企業でデータを収集・分析し、その結果を経営判断に活用することで企業競争力を強化するデータドリブン経営が行われています。
例えば、グローバル市場や競合の動向から事業の方向性を判断したり、お客さまからのフィードバックを製品やサービスの開発に取り入れたり、企業活動におけるさまざまな場面での省エネルギー化の推進や環境配慮に役立てたりするには、多様なデータを柔軟に利活用することが必要です。
しかし、企業が持つデータは、機密性の観点から企業内の業務システムのみの利用に限られるケースが多く存在するほか、アプリケーションの開発や稼働はパブリッククラウドで行われるなど、複数の環境で保存・管理されているケースが多いのが実情。このため、データを横断的かつリアルタイムに利用することが難しくなっており、データ管理・運用の複雑化も招いています。
こうした企業内システムとパブリッククラウド間、すなわちハイブリッドクラウドにおけるデータ連携の課題を解決するには、双方にまたがるデータを透過的に連携し、安心・安全に利活用できるデータ利活用基盤を構築することが必要です(図1)。
分散するデータを仮想化技術でシームレスに利活用
そこで日立は、企業内システムとクラウド間を連携するハイブリッドクラウドにおいて、データの所在を意識することなく、透過的かつ高信頼に利活用できるハイブリッドクラウドソリューション EverFlex from Hitachiの提供を開始しました。
本ソリューションは、これまでグローバルで高い評価を得ている日立ストレージ仮想化技術を活用した高信頼データ利活用基盤を、企業内システムからパブリッククラウドへ拡張。企業内システムとクラウドに分散するデータの横断的かつセキュアな管理・運用を可能にするとともに、必要なとき、必要な場所に、データを準備できる可用性・可搬性の高いデータ連携基盤の構築を支援します(図2)。
EverFlex from Hitachiを構成するソリューション/製品群
今回、EverFlex from Hitachiとして提供するのが、クラウドの手軽さでITインフラを活用できる「日立従量課金型データ基盤ソリューション」、次世代クラウド基盤を支えるエンタープライズストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform 5200, 5600(以下、VSP 5200, 5600)」、中小規模システムで高信頼なデータ管理・運用を実現するミッドレンジストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform E390(以下、VSP E390)」、大規模データ利活用を支援するソフトウェア・デファインド・ストレージ「Hitachi Virtual Storage Software for block(以下、VSS for block)」です。それぞれの特長を簡単に紹介します。
日立従量課金型データ基盤ソリューション
日立従量課金型データ基盤ソリューションは、ITインフラをお客さまの要望に合わせた柔軟な利用形態で提供するAs a Service型のクラウドソリューションです。パブリッククラウドとの連携強化により、「クラウド活用」「クラウド移行」「クラウドネイティブ構築」という3つのクラウド連携シナリオを、設計から構築に至るまでトータルに支援します。
VSP 5200, 5600
VSP 5200, 5600は、日立が培ってきた高信頼技術を継承しながらアーキテクチャーを見直し、即応性と柔軟性を強化した次世代エンタープライズストレージです。日立従量課金型データ基盤ソリューションのデータ連携基盤として活用でき、機密性などの観点から、企業内システムのみの利用に限られていたデータを安心・安全かつ透過的にパブリッククラウドへバックアップしたり、パブリッククラウド上のアプリケーションから利用したりすることが可能になります。
VSP E390
VSP E390は、エンタープライズストレージの仮想化技術の適用により、高信頼なデータ管理・運用を実現する、ミッドレンジストレージです。中小規模システムにも低コストで導入・利用することができ、パブリッククラウドとの透過的なデータ連携を支援します。また、日立従量課金型データ基盤ソリューションのデータ連携基盤として活用できます。
VSS for block
VSS for blockは、複数の汎用(はんよう)x86サーバーから1つの仮想的なストレージシステムを構築・機能させるソフトウェア・デファインド・ストレージ製品です。日立従量課金型データ基盤ソリューションのデータ連携基盤として活用でき、シンプルな運用と優れた拡張性・信頼性により、大規模データ利活用を支援します。
他社登録商標
EverFlexは、Hitachi Vantara LLCの商標または登録商標です。
その他本記事に記載の会社名、商品名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。