サイバー防衛訓練検証施設「NxSeTA」
デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展にともない、電力・鉄道・産業・金融といった重要社会インフラへのサイバー攻撃のリスクが高まっています。もし、サイバー攻撃によって重大なインシデントが発生すれば、人々の社会生活に大きな影響を及ぼすほか、経済的な損失も計り知れません。
そこで大みか事業所では、お客さまが運営する重要インフラへのサイバー攻撃の脅威に備え、セキュリティ人財育成や組織としての対応能力を向上させるための総合訓練検証施設「Nx Security Training Arena(NxSeTA)」を開設しています。
大みか事業所の総合システムシミュレーション環境を応用したNxSeTAでは、お客さまの実環境を擬似的に再現したOT/ITシステムを用意し、実際にサイバー攻撃を体験するなど、現場にかぎりなく近い環境で訓練を行うことができます。
カリキュラムは、日立が長年培ってきたOTとITの技術・ノウハウをベースに、サイバーセキュリティのグローバルスタンダードや、実際に起きているインシデントなどの最新情報、先進企業の事例なども反映させ、お客さま企業の業種、運用形態、受講者のスキルに合わせたフルオーダーメイドでの提案が可能です。
実践的な訓練メニューで組織的な対応能力を効果的に向上
訓練環境においては、攻撃者、運用者、分析者、意思決定者の各自の役割を再現する演習室を配置し、現場環境に近い状況を再現します。訓練して終わりではなく、訓練で見えた課題を改善するため、運用規則の見直しや教育カリキュラムなども提案。これにより、日々変動するセキュリティ状況への対応力、重大事故を引き起こさないようにするためのスキル向上やシステム改善など、組織的な対応能力を効果的かつ継続的に向上させることが可能となります。
また、「セキュリティコンサルティングサービス」「セキュリティ監視ソリューション」「制御システム向けセキュリティ監視・分析支援サービス」といったメニューも用意し、方針策定のコンサルティングからセキュリティシステムの構築、インシデント対応の支援まで、お客さまの社会インフラのセキュリティ強化をトータルにサポートします。
なお本施設では、さまざまなセキュリティ製品の稼働検証、効果測定が行えるため、導入検討中のセキュリティ製品の評価、比較にも利用することが可能です。
リモートワークに対応した訓練サービスも提供
コロナ禍(か)以降、リモートワークを前提にした新たな働き方が求められるなか、サイバーセキュリティ対策の現場でもニューノーマル(新常態)での行動様式への対応が迫られています。
そこで日立は、リモート環境でも迅速・確実なインシデント対応を行い、被害を最小化しながら事業継続するためのサイバー防衛訓練サービス「オンラインNxSeTA」の提供も行っています。
オンラインNxSeTAでは、NxSeTAのリソースと実績あるカリキュラムを使い、リモートを前提としたインシデント対応訓練と体制構築支援を実施します。受講者は業務で使用しているツールで関係各所とコミュニケーションをとりながら、サイバー攻撃の検知、ログ解析、復旧までの一連の訓練が受けられます。訓練の結果は評価レポートとして受講者にフィードバックされ、問題点や弱点が見つかった場合は、次回以降の訓練で継続的に強化することができます。
24時間365日の「制御システム安定稼働サービス」も提供
日立が社会インフラの分野で培ってきたノウハウを活用し、お客さまの制御システムの運用・保守を24時間365日サポートする制御システム安定稼働サービスも提供しています。
本サービスは、24時間365日受け付け可能な日立制御システムサービスセンターを拠点に、お客さまの制御システムに関するトラブルの相談、問い合わせに対し、経験豊富なスタッフが各部門の専門チームと連携しながら、問題の切り分けから復旧、原因調査までをワンストップで支援。部品交換などが必要な場合は、全国の日立保守拠点からOT/ITに精通したエンジニアがスピーディーにサポートを行います。また、運用・保守のナレッジを蓄積・共有できるサポートプラットフォームも構築し、お客さまご自身での問題解決や、現場ノウハウの継承を支援します。
第6回 「スマートな次世代ファクトリーを支える環境エネルギーマネジメント」はこちら>>
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